自分の意見をとおす心理学

あなたは他人に意見をしたとき、逆に相手から反感を買ってしまったり相手を怒らせてしまった経験がないだろうか。

怒ったあなたに対して相手が逆上すると「逆ギレか!」という人がたまにいるが、本当にそうだろうか。

自分の意見を確実にとおすためには多少の準備が必要になる。今回はそのプロセスの一部を紹介するので、興味のある方は参考にしてほしい。

常に自分を疑う

自分の意見をとおすということは、人を説得することであり、人を動かすことである。

交渉に得意な人はよくご存知だと思うが、人を動かせるかどうかが決まるのは交渉や話に入ってからではなく、それ以前の準備で結果が決まることがほとんどだ。

また、人が気分を悪くするときや怒るときは、必ずそれ相当の理由がある。例えば、毎日出社時間の30分前には出勤している人が、ある事情でその日だけ遅刻をしてしまった場合、二日に一回は遅刻しているような人から、

上司

なに遅刻してんねん!お前の出社時間は何時や?

と言われたら、例えそれが上司や管理職の人間であっても、

お前に言われたないっちゅーねん!お前、毎日遅刻やんけ!どの口が言うとんねん!

あなた

と思うだろう。人の感情は常に正直である。

相手が自分の意図せぬ反応を見せたときは、自分の目に映った相手の態度を指摘する前に、その態度を作っている原因がどこにあるのかを考えてみよう。

人が人を判断する瞬間

人は、人から意見されることが苦痛なわけではない。意見をしてくる相手がどこから意見しているか”を基準に判断するだけである。

人が人に意見するときは、一時の感情から一方的に自分の意見をぶつけている場合がある。

相手も理由があってひとつの考えを持っているので、その理由や考えに至った経緯に触れずにいきなり否定的な言葉をかぶせてしまうと、相手がこちらの意見を聞こうとしなくなるのは当然である。

あいつはホンマに人の話を聞かん奴や。

話を聞いてもらえない男性

そんなことを言っている人を見ると、

男性

相手も同じこと思とるんちゃう?

と、思うわけである。

自分の話を聞いてもらえない人の多くは、その原因が自分にあることに気づいていない。そして、相手が話を聞こうとしない原因を相手の人格のせいにする。

話を聞かない人話を聞かなかった人が「たった一言」で話を聞いてくれるようになる方法があるのですが…

本当に困っているときや悩んでいるときに相談相手が見つかると、人は相手の顔色や反応をいつも以上に観察するようになる。

本気だからこそ、自分の訴えようとしていることに相手が向き合おうとしてくれているかどうかを確かめようと、いつも以上に相手の反応を気にするのだ。

事前に布石を打っておく

どんな人間でも恩や義理というものを持っている。

その恩や義理をどれだけのものとして捉えるかには個人差があるが、少なくとも自分のために何かをしてもらったらそのお返しをしなければならないという心を普通の人間なら持っているものだ。

なので、普段から相手の話に聞く姿勢を持っていれば、その相手が自分の話を聞いてくれないなどということはまずない。

自分の意見を確実にとおすための条件、それは普段から相手の話に耳を傾け、相手の悩みや考え方を理解して、事前に布石を打っておくことにある。

仮に自分と意見が対立した場合でも、一方的に相手を敵に回すような言い方はお世辞にも賢いとは言えない。相手の気持ちをくみ取る言葉を少し混ぜるだけで、相手はこちらの意見を受け入れやすくなるのである。

素直に人を受け入れられない人は人に飢えている

ここ最近、インターネットを使った副業で本業の収入を超える人が増えてきているが、収入が低い人や自分の収入に納得していない人は、そんな人を見て詐欺だの胡散臭いだのと悪者扱いをしたがる。

しかし、この心理もハッキリしている。

お金を稼いでいる人を批判する人はお金に強い関心がある人だ。なので、自分が稼げるようになると批判を止める。

稼ぐことが楽しくなり、自分の力で稼いでいる自分に自信を持つようになり、他人を批判するより自分の稼ぎを肥やすことに時間を使うようになるからだ。

 

自分がやろうとしているのにできないことや、結果を出せずに悩んでいることを目の前で成功させている人がいれば、その事実を素直に受け入れられず、納得できない感情のバランスをとるために他者を批判することで周囲の注目を集めようとする。

ひと言で括ってしまえば「妬み」で、男性に圧倒的に多い行動であることが確認されている。批判すること自体は不本意で、本心は成功者と同じ世界を見てみたいだけである。

人は自分の都合のよい解釈を正しいと思い込む

自分で稼いだ経験のない人は、稼いだときのイメージを持ち合わせていない。稼いでいる人を見ると、その結果だけを見て羨ましいと思い、嫉妬する。

しかし、稼ぐということは収入が増えるということで、これは一度でも経験すればその嫉妬や批判は「尊敬」に変わるはずだ。

非課税である宝くじで生計を立てているわけでもない限り、収入が増えるということは高額所得者である前に高額納税者になる。これは絶対に逃げられない。

稼ぐ額が大きくなれば支払わなければならない税金も大きくなる。自分の腹を肥やす前に、国を支えているのが高額所得者なのだ。

自分には稼げない収入を得ている事実を妬む前に、自分には納められない税金を納付している事実を先に知るべきなのである。

自分で税金を納めた経験がない方は実感がわかないかもしれない。しかし、稼げば稼ぐほど持っていかれるこの辛さは、一度稼げばどれだけキツイかわかる。

マザー・テレサではないが、素直に人を認められない人は人から認められることもないのかもしれない。

人の穴を探る前に、素直に人を認められる人は人に対しての考え方や口から出てくる言葉も変わってくるはずだ。

相手が感じていることを自分に描写してみる

物事にはどんな場合においても常に2つ以上の見方が存在する。

自分と直接は関係のないことでも、自分が見ている視点が必ずしも正しいとは限らない。自分から見れば正しいことでも、立場が違う人の視点から見れば正しくないこともある。

自分には見えていない視覚に人がいるかもしれないと考えられるようになれば、固定観念や自己中心的な考え方はなくなり、何よりも思考そのものが相手中心に変われば、どういう言葉をどのタイミングでかけると相手がどう動くのかがわかるようになる。

ちなみに、人がもっとも気持ちよくなる瞬間は、

  • 自分が望むとき
  • 自分が望むタイミング
  • 自分が望むこと
  • 自分の望みどおり
  • 他人が動いてくれたとき

である。この時、人は黙ってあなたに従うはずだ。

そんなことできるわけないし、あるわけない

男性

と思うかもしれないが、そう結論付けた時点で思考は停止する。少し考えれば、意外と出てくるはずだ。

例えば、自分の手で届かない肩甲骨の下あたりが痒くなったとき、自分がかいてほしいタイミングで、かきたい場所を一発で他人にかいてもらえたら、体よりも心が気持ちよくなっている自分に気づくだろう。

会話中、なんて言ったらいいか言葉が見つからずにモヤモヤしているとき、自分が探している言葉をピンポイントで相手が見つけてくれたら、思わず

そう!そう!そう!それが言いたかった!

女性

と言うだろう。

デート中、タバコが無くなったことに気づき、

男性

うわ、さっき買っといたら良かった…

と口にした瞬間、横から彼女がスッと自分が吸っている銘柄のタバコを出してくれたら素直に嬉しいはずだ。

これは、普段から相手に興味を持って観察していないとできないことである。できないからこそ、それが相手にわかる形でできたときには相手の中で自分をちゃんと見てくれているという確信が入り、嬉しくなるのである。

他にも、急を要することでわからないことが出たときに、電話をした相手がその場で解決してくれたり、外出先で携帯電話の充電が切れかかっているときに、

女性

よかったら、これ使う?うちまだ充電あるから大丈夫やし…

と、友達がモバイルバッテリーを差し出してくれたり…。

少し考えれば、いくらでも出てくる。

気づかいや心配りというのは、普段から相手を気にかけていないとできないことなので、相手が喜んでくれたり気持よくなるような関わり方ができるようになれば、相手から返ってくる反応はあなたの求めているものに限りなく近づいていくだろう。

まとめ:自分の意見をとおす

人は自分に目をかけてくれる人を嫌いになれない。

あくまでも相手のタイミングで動くというのが重要になってくるが、一方で自分のタイミングで接触しようとすると、場合によっては気持ち悪がられたりありがた迷惑になる場合もある。なので、状況は見極めなければならない。

返せないぐらいの「貸し」を先に”作っておく(布石を打っておく)のである。

貰うよりも与えることを先に考えられる思考になれば、自分の意見が相手にとおらないなどいう壁はあなたにとって無縁の障害になるはずだ。こういったことを何度も重ねていくことによって、いつの間にか相手との距離は縮まっていくのである。

よくわからないという方は、とにかく自分にできることを迷惑にならない程度で与え続けてみるといい。

相手がまともな人間なら、そのうち相手から大きなリターンがあることを約束しよう。

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