頼み事やお願い事は相手の「右耳」にすると聞いてもらいやすくなる

右耳から受け取った情報は説得される確率が高くなる

誰かに何かをしてもらいたいと思ったときは、その人の「右耳」から話しかけるといい。

これは、イタリアのルカ・トンマージ博士とダニエレ・マルツォーリ博士の二人よって明らかになった、有名な実験データである。

この実験によって、人は右耳から話かけられることを好むほか、右耳から話しかけたときのほうが頼み事が実現する確率が高くなることがわかったのだ。

トンマージ博士とマルツォーリ博士による実験

トンマージ博士とマルツォーリ博士は、聴覚の傾向を調べるための実験現場に「大音響のナイトクラブ」を選んだ。

クラブ客の会話のやりとりを観察したところ、なんと全体の4分の3の会話に聞き手が右耳を使っているという面白いデータを発見したのである。

この事実を確認した二人の博士は、研究チームのスタッフを使って更なる実験を試みた。

横並びに座る席ではどちらに座るかで成約率が変わる

研究チームのスタッフがクラブ客の中に紛れ込み、次の実験を行った。

たばこを持っている一般客に、右耳と左耳のいずれかから「たばこをください」と頼んでみたのである。

すると、驚いたことに右耳から話しかけた場合のほうがたばこを譲ってもらえる確率がはるかに高いという結果が得られたのだ。

この実験の良かったところは二つある。

一つは、整備された環境や、実験のために人工的に設定されたものが一切なかったことである。

実際に存在する場所で、何も知らない被験者を使って突発的に行われた実験によって得られたリアルなデータのため、再現性とその応用が期待できるという点だ。

現に、ビジネスの世界ではこの効果が幅広く応用されている。

例えば、取引先と商談に使う事務所や営業所のレイアウトに工夫を入れている企業や、対面ではなくあえて横並びになるシチュエーションをセッティングしてくる営業マンなどがその一例といえる。

そしてもう一つは、相手が人なら誰でもこの効果を期待できる状況を作り出せるという点である。

友達や家族、好意を寄せているパートナーやこれから関係を築いていきたいと思っている異性に使ってみることもできるだろう。

注意
インターネットでヒットする記事の中には真逆のことを書いている記事があるが、それは脳の機能的な部分にフォーカスしているからであって、二人が突き止めた今回の実験結果とは直接的に関係ない。「左耳」ではなく「右耳」なので間違わないように。

体感レベルではわからない

いくら右耳から話しかけられたほうが説得される確率が高くなるといっても、私たちは体感レベルでそれを確認することはできない。

しかし、実験によってその効果が確認されたのは事実である。

なので、あまり深く考えず、脳の構造上「そういうことになっている」と思っておけばいいだろう。

左脳
  • 話す・書く
  • 分析力
  • 論理的・科学的思考
  • 推論
  • 言語認識
  • 計算・数学理解力
右脳
  • ひらめき・直感
  • イメージ記憶
  • 芸術性・創造性
  • 空間認識力
  • 大局をみる力
  • 同時的情報処理
  • 図形読解力
  • 音楽を聴く

一般的に左脳が男性脳、右脳が女性脳と言われているが、今回の実験結果とはまた別の理由が絡んでそうである。

男性にはデータを、女性にはイメージを売れ」という言葉もあるが、それは相対的にみた場合に男性は理屈っぽく女性は感覚に優れているため、そのほうが合理的と考えられているからである。

男性でも右脳が強い人もいれば、女性で左脳が強い人もいるのでデータがすべてではない。

経営者や政治家、弁護士やスポーツ選手などの結果や実績を求められる職業に男性が偏っているのは、男性脳と女性脳の違いが関係していると考えれば、何となく納得いただけるのかもしれない。

耳にも利き耳がある?

手に利き手があるように、耳にも利き耳があると言われている。

一般的に利き耳は利き手と同じ人が多いと言われているが、中には逆の人もいるようだ。

個人的な話をすれば、私は左手で電話を受けて左耳で話す。電話の操作もすべて左手だ。

たまに右手で受けるときもあるが、いつの間にか左手に持ち替えている自分に気づく。恐らく、左手で受けるのが習慣化されているため、右手で電話を触ることに違和感を感じるからだろう。

普段右耳で電話を受けている人は、人から説得されたり頼み事を受けてしまうケースが多くないだろうか。もしそうなら、この機会に左手で受けることを検討してみてもいいかもしれない。

まとめ:右耳から話しかけられると説得されやすくなる

何でもかんでも、右耳から話せば聞いてもらえる可能性が上がるというわけではないので、そこは注意しなければならない。

相手が男性か女性かでも、言い回しは変えていく必要があるので、あくまでも補足的に使うコミュニケーションスキルの一つと捉えておくほうがいいだろう。

男性には結果を、女性にはその過程を描写する、そして今回のテクニックを補足的に利用する、それが目的を実現するための後押しに繋がるはずだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿はシステムによって弾かれますのでご注意ください。