潜在意識を操作するサリバン・ノッド

相手の潜在意識に入り込み、こちらの誘導に乗せるテクニックのひとつにサリバン・ノッドというテクニックがある。

このテクニックはかなり有名なテクニックなので、こういった分野に関心のある人は知っている人も多いと思うが、そうでない人の中にははじめて耳にする人もいるはずだ。

ほとんど練習なしにすぐにできるテクニックだが、一方でその効果は相手の性格によって変動する。よって、誰にでも効果が得られるというものではない。

慎重な人や何かにつけてその意味や必要性を考える人にはあまり向かないが、素直な人にはあっさり効いてしまうのがこのテクニックの特徴である。

簡単なテクニックなので、覚えておくとどこかで役立つときがくるかもしれない。

サリバン・ノッドとは

サリバン・ノッド(Sullivan Nod/サリバンのうなづき)
サリバン  Tom Sullivan(トム・サリヴァン)
ノッド   Nod(うなづき)

レストラン事業のコンサルタントであるTom Sullivan(トム・サリヴァン)によって開発された技術で、特定の商品購入を促すための販売テクニックとして実際に使われている。

サリバン氏曰く、この『うなづき』が誘導するアイテムの約65%が商品購入につながるという。

65%なのでそのテクニック自体は確実性があるものではないが、50%を超えている以上その効果は多少なりとも数字で証明されているといえるだろう。

複数の選択肢がある中から、こちらが選んでほしいと思うものを自分の意思による選択だと思わせる誘導テクニックのひとつである。

サリバン・ノッドの使い方

サリバン・ノッドは、こちらが相手に選んでもらいたいと思う商品(アイテム)に『うなづく』という動作を用いて示唆することで成立する。

例えば、1~5の数字の中から「4」を選ばせたい場合、1・2・3…と数えていき、「4」のときだけ軽く顎を引いてうなづく。これだけである。

これだけなのだが、重要なことは「4」と「4」以外の動作が完全に差別化されていることだ。

1・2・3・5のときに体や手で余計な動作を入れたり、姿勢が傾いたり、視線の位置が変わったりすると「4」のときの『うなづく』という動作がボヤけてしまい、うまく機能しなくなる。

なので、1・2・3・5のときは、視線も姿勢も統一し、「4」のときだけ『うなづき』を入れるようにする。

また、「4」の前後(「3」の後と「5」の前)で違和感を与えない程度のわずかな間を入れることで、より「4」という数字だけが浮いているように聞こえ、それを選択させる確率を上げることができる。

『うなづく』という動作がもつ意味

通常、『うなづく』という動作には首を上下に動かすことから、

女性

  • そう!そう!そう!
  • 確かに!
  • 間違いない!
  • そう言われたらそうかも…

など、その動作自体に「共感」や「同意」を示す肯定的な意味(YES)が含まれる。逆に、首を横に振る動作は「NO」や「否定」を意味する動作と私たちは解釈しているはずだ。

注意
ブルガリアでは首を横に振ると「YES」、縦に振ると「NO」となり、本国やアメリカとは逆になる。国によってはまったく逆の意味になることがあるのでここは要注意。

言葉にしなくても、その動作自体が意味を持っている場合はその動作が言葉の代わりになることがある。

それが相手の意識に入らない領域で視覚に映ると、その動作が持つ意味が潜在意識に書き込まれることで、人はそれを自分の意思による選択と思ってしまう。

つまり、特定のアイテム(相手に選ばせたいもの)のときにだけ、『うなづく』という動作を視覚に差し込む(暗示する)ことで、それが相手の意識には入らないメッセージとなって、無意識にそれを選んでしまう可能性が高くなるのだ。

まとめ:サリバン・ノッド

今回は数字で例えたが、あなたが家電量販店の販売員なら、BRAVIA(ソニー)、AQUOS(シャープ)、REGZA(東芝)、VIERA(松下)でテレビを決め兼ねているお客様に対してこれをやってみてもいいだろう。

ただし、お客様のニーズは最優先にしなければならない。売りたいものがあるからといって、顧客のニーズを無視してまで売り込むのは人間的に問題がある。

複数の自由な選択肢がある中から、こちらが選ばせたいものを「うなづき」で暗示することで、自分の意思による選択と思わせるサリバン・ノッド

あなたの身近にあるもので、応用してみてはどうだろう。

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