行動心理学

第三者の声を借りて説得力を3倍に増幅させるウィンザー効果

集客やマーケティングなど、ビジネスでは当たり前のように使われているウィンザー効果。

特にインターネットの世界では、はじめてその商品の存在を知るであろうユーザーに商品のオファーをかけるとき、必ずと言っていいほど決済につなげるための行動を促す要素、あるいは見込み客を集める手段のひとつとしてその効果は使われている。

知らず知らずのうちにその効果の影響を受け、今思えばあの時あそこで買ったあの商品はその効果が「商品購入を決断した理由だった」という経験が、記憶を辿ればあなたの過去にもあるかもしれない。

認識はしているのに、その効果から受けている影響には自覚がない「ウィンザー効果」とは、私たちにどんな影響を与えている効果なのだろうか。

ウィンザー効果

ウィンザー効果とは、第三者の言葉や声を引用することで、ある商品や物事に対して懐疑的なイメージを消し、確信を強くさせる心理効果のことをいう。

例えば、インターネットで実際に買ってみないと中身を確認できない商品(本など)や、安くない商品(ブランド品など)を買う場合、事前に何の情報も仕入れていない状態で即注文、決済に踏み切れる人は少ない。そんなとき、人が次にとる行動はすでにその商品を購入した人やその商品の中身を知っている人の声を集めようとするはずだ。

Amazonで例えると購入者レビューがそうであり、セールスレターではテスティモニアル(利用者の声)がそれに当たる。

また、ヤフーオークションやメルカリなどのフリーマーケットでは、出品者が個人の場合も多く、ユーザーの信用が商品の信用に直結する。そのため、商品そのものの情報よりも出品者であるユーザーの評価を第一順位の判断材料にする人も少なくない。

人は当人からよりも第三者の声を受け入れやすい

人には、ひとりの声よりも(集合した)第三者の声のほうを真実と思い込む習性がある。

ほとんどのケースで真実は一つという思い込みが前提にあることから、ある一定の人が同じこと言っているのは根拠があってのことと判断し、安心感を得ようとするからである。

これが言葉ではなく、実際の行動に置き換わったのが社会心理学でいうところの同調現象だ。

例えば、あなたが女性で好きな彼がいるとする。

あなたの彼は照れくさい性格で、彼があなたのことを好きであると思えるような態度はほとんど見せてくれない。シビれを切らしたあなたはあるとき、彼に問い詰める。

なぁ、うちのことホンマに好きなん?
もう興味ないなら別れよや、付き合ってても意味ないし。

それを聞いた彼は、

好きやで

それしか言わない。

彼の自分に対する気持ちに不信感を払拭できないあなたは、「好きやで」のひと言で片づけられた怒りに加え、彼のことを考えるたびにイライラが募っていく。好きなパートナーにイライラする自分が嫌になってくるかもしれない。

しかし、あるとき彼の親友で、あなたとも親交のある男友達からこんな話を聞かされる。

「お前、こないだ○○(彼)のことで悩んでる言うてたよな?」

「口では”好き”ていうけど、こっちから聞くまで言わへんし、聞いてもそのひと言しか返さへんて…。」

「ちょっと前に、〇〇(彼)と飯食いに行って、そのときたまたまお前の話になってな…。」

「あいつはあいつで悩んでるみたいやで。」

「なんかな、あいつ(彼)もお前のことはごっつ好きみたいやねん。」

「けどな、不器用やからどうしたらその気持ちをお前に信じてもらえるかわからんみたいや。」

「飯も作ってくれるし、洗濯もしてくれる。一緒におって楽やし、誰とおるときよりもお前と一緒におるときが一番楽しい言うてた。」

「好きだけやのうて、感謝もしとったで。」

「お前がおるおかげで、ごっつ助かってるいうて。」

「あと、お前が作ってくれる飯が一番美味い言うてたわ。」

「お前も女やから、”好きな男にはこうしてほしい”ていう理想があると思うけど、それに答えたいて気持ちがあっても、どのタイミングでどうすることがそれに答えたことになるんか、あいつ(彼)みたいにわからん男もおるんや。」

「あいつ(彼)が鈍いとか、女を知らんとかそんな話やのうて、これは性格の問題やと思うで。」

「あいつはあいつなりにお前のこと大事にしようとしとるんは俺にはわかったし、そこまで自分が大事にしたいて思う女と付き合えとるあいつ(彼)が、俺からしたら羨ましかったぐらいや。」

「お前にはそんなふうに映ってないかもしれんけど、”そこ”だけ目つむったったら他は意見したくなるようなとこないんちゃう?」

「どうしても”ここはこうしてほしい””ここは譲れへん”ていうのがあるんやったら、あいつ(彼)の気持ちに先に気づいてやることのほうが大事ちゃうかな。」

恐らく、この話を男友達から聞く前と聞いた後では、あなたが女性なら彼を見る目が変わるだろう。しかし、この話を彼本人が自分の口からした場合はどうか。

彼に対して不信感が拭えない状態でそんな話をされても、機嫌をとろうとしているか、自分の行動を正当化するための言い訳ぐらいにしか聞こえないはずである。

当人の利益や評価に繋がりそうなことは、自分の口からいうと自分で思っているほど相手には届かない。それは、人には承認欲求認められたいという感情)が前提にあるため、そういう解釈になりやすいのである。

人は陰で褒めろ

聞いたことがある言葉だと思うが、人は直接褒められるよりも、陰で褒められていることが人伝いにわかったときのほうがはるかに嬉しいものである。陰で自分のことを褒めてくれた人にはそれだけで好意をもつようになり、その人の存在を意識するようになる

逆に、陰で悪口や批判をしていることがわかったときは、例えその相手が見ず知らずの他人であっても、それだけでその人間の人格を否定するほどの嫌悪感を抱くようになる。

人の発言というのは、誰を伝ってどこからどのように当人に届くかわからない。誰かに聞かれて都合の悪いことは口にしないのが一番だが、当人がいるところといないところでは、例え同じことを話していても受け取られ方が変わる場合があることは覚えておいたほうがいいだろう。

ビジネスでかけられるウィンザー効果は鵜呑みにしない

深夜の通販番組を思い出してほしい。

サプリメントやお茶、筋トレや痩せるための健康器具などの商品では、その商品を実際に使ったテスティモニアル(利用者の声)が必ず差し込まれていることに気づくはずだ。

たまに、誰もが知っている有名人や芸能人を起用し、商品自体に信用を刷り込ませている場合もある。これを「権威への服従」という。

しかし、よくよく番組を観察しているとおかしな矛盾にぶつかるときがある。

「今月出たばかりの新商品」といいながら、利用者の声では

  • もう、愛用して一年になりますけど、私にとってはなくてはならない必需品です。
  • 半年前から使っているんですけど、一ヶ月で効果が出ました。

プレゼンターが「今月出たばかり」と言っているのに、

  • なぜ愛用して一年経っているのか
  • なぜ半年前から使えているのか

この時点で、実際にはない「利用者の声」を偽造しているか、プレゼンターが嘘をついているかのどちらかが確定する。

有名人や芸能人が出てきて、

私も愛用しているんです…

などと、本人の口から言っているのを聞くと完全に信じ込んでしまう人も多いが、テレビの世界はギャラ次第で嘘だとわかってても仕事と割り切って企業に協力するケースは多いと聞く。

そして極めつけは、

効果には個人差があります。
ご本人の感想で効果を保証するものではありません。

と、画面の隅に小さく逃げ道を作っている点だ。

散々期待と希望を持たせるだけ持たせて、結果が出なくても保証はできないというのがテレビ側の言い分である。

なので、どれだけ興味を持っても買うか買わないかの選択は自由で、例え買ったとしても

  • 〇日以内なら返品可能
  • 〇日以内なら全額返金

という保険もついていることから、詐欺にまで発展することはない。

おわりに

今回はウィンザー効果について解説した。

いろんなケースで直面する効果で、この効果だけでも十分な効果があるのだが、これに権威を絡められるとほとんどの人が疑うことを忘れる。

○○病院の院長先生が△△て教えてくれはったんやけど…

医学的なことにその専門家である医者を絡められると、本人が同じ医者で間違ったことでも言っていない限り、まず疑う人はいない。

自分の言葉で相手を説得できるかどうか不安な場合は、ウィンザー効果で第三者の声を借りると相手を納得させられる可能性がグンと高くなることを覚えておこう。

ウィンザー効果は、当人の口から出ている言葉でもその中身は当人の言葉ではないのがポイントなのだ。

あくまでも、その後ろにある第三者の声を代弁しているだけなので、その声の出所がどこから出ているものかによって相手の受け取り方は大きく変わるのである。

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  • れいこ

    そういうのがあるというのは気づいていましたが、ウィンザー効果っていうんですね。どう表現したらいいかわからなかったので、名前がわかってスッキリしました。ありがとうございました。

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