相手が嘘をついているかどうかを探ったり、最初から疑いの目を向けて相手を見たりすることを快く思わない人もいるだろう。
確かにこういった行為は、道徳上問題がないかというと無いとは言い切れない行為かもしれない。
しかし、私たちは単に嘘を見抜く知識や技術そのものに魅力を感じているわけではなく、嘘をつかれることでその先にある被害や恐怖、苦しみや困難を回避するためにそういった知識や技術を身につけたいと思うのではないだろうか。
そして、こういった知識や技術に魅力を感じる人は、人を信じたことで傷を負わされたという過去を抱えている人が意外と多かったりする。
- 彼の浮気に最後まで気づかず心底傷ついた
- 結婚詐欺にあって人を信用できなくなった
- 私の前では親友を気取り裏では陰口を叩いていた
相手の嘘を正確に見抜くことができなければ、大きな不利益を被ったり、窮地に陥ることもある。
俺に嘘をついても無駄だぞ
俺に嘘はつけないぞ
と相手に思わせることが目的ではなく、あくまでも自分を守るための知識や技術と考えるなら、嘘を見抜く観察法は習得しておいたほうがいいだろう。
今回は嘘を見抜く際に観察するポイント、つまり嘘の疑いがあらわれるポイントを8つ紹介する。
忘れたときは何度でもこの記事に戻って、体が反射的にそのポイントを意識するまで反復してみてほしい。
1.「腕組み」と「足組み」
「腕組み」と「足組み」については他の記事でも触れているが、腕や足を組む動作は「防御」を意味する。
相手と自分との間に壁を作ることで、自分をガードしようとするときに見られる無意識の動作だ。
当たり前だが、嘘をついている本人は嘘をついている自覚がある。
したがって、嘘をついている罪悪感から「それ以上踏み込んで来ないでくれ」という感情が、相手と自分との間に壁を作る動作に変わって表にあらわれると考えられている。
相手が「腕組み」や「足組み」をしたときは、何らかの理由によって防衛反応が出ている状態と覚えておこう。
2.過剰なセルフタッチ
自分の体に自分で触れること。
人は、緊張したり不安になったりすると自分で自分の体を触るようになる。これは、自分を落ち着かせようとするときに出る無意識の動作の一つだ。
人には「自分が受け入れているもの」や「普段触れ慣れているもの」に体が触れることで緊張を和らげようとする習性がある。
例えば、先ほどまで泣きじゃくっていた赤ん坊が母親の手で抱かれた瞬間大人しくなっていつの間にか眠ってしまったり、大好きな彼に正面から自分の体を覆うように背中と後頭部を抱え込むように抱かれるとその温もりで寂しさが緩和されたり、彼の胸元に顔をうずめているときが一番安心感を覚えるときだったり…。
逆に、男性が女性の胸に顔をうずめたりする場合もあるが、男らしい男性を好む女性の中には、これを「キモい」ととる女性もいるかもしれない。しかし、どんな人間も人は女性からしか生まれてこない。
どんなに男らしく頼りがいのある男性でも、生まれたときは母親に抱かれたときの感覚が潜在意識に残っており、女性の胸元に顔をうずめることで心が落ち着く男性は多い。
よって、あなたが女性で自分にとって特別な存在である男性からそういった行為が見られたときは、黙って手を添えてあげるだけであなたの優しさを改めて確認できる瞬間になるだろう。
相手がいないときは自分で自分を触ることでしか心を落ち着かせる方法がないので、やましいことや後ろめたいことがあるときは無意識にセルフタッチが増えるのである。
3.言葉と身体の動作の不一致
人は真実を話ししているとき言葉と身体が同じ動きをするが、嘘をついている自覚があるときはここに矛盾が生まれるときがある。
例えば、「YES」「同意」「共感」「尊敬」「支持」など相手に対してポジティブな感情を抱いているとき、人は首や身体が「縦の動き」をする。
しかし一方で、「NO」「拒絶」「不快」「軽蔑」「嫌悪」「怒り」など、ネガティブな感情を抱いているときは「横の動き」が多くなる。
口(言葉)では「YES」と言っているのに、首や身体が横に動いていればその言葉は本心ではない可能性が高いということだ。
人は、言葉では嘘をつけるが身体はそれに従わない。
言葉に真実味を感じられないときは、身体の動きに注意を払うようにしよう。
4.文脈の乱れ
文脈の乱れとは、「YES」か「NO」、つまり「はい」か「いいえ」で答えられる簡単な質問にはっきりとした答えを返さない場合である。
例えば、
昨日、新宿に行った?
という質問に対しての自然な答えは、「行った」もしくは「行ってない」である。
しかし、稀に以下のような返しをするケースがある。
昨日、新宿に行った?
新宿?何時頃?
- 聞こえているはずの質問に、「新宿?」と聞き返す
- 行ってたらわかるはずの時間を、知るはずのない相手に「何時頃?」聞き返す
その事実を問い詰められると都合が悪いとき、人は質問を質問で返したり、相手が何をどこまで知っているのかを確認するために、聞かれてもないことを自分から聞き返したりする。
嘘ついていたり、何かを誤魔化そうとしているときに見られる特徴の一つなので覚えておこう。
5.アイコンタクトの長さ
アイコンタクトでわかる嘘の特徴は、男性と女性で異なる。
男性はやましいことや後ろめたいことがあると目を逸らしやすくなる特徴があるのに対し、女性は嘘をついている罪悪感から相手の目を見つめて本心を隠しとおそうとする場合が多い。
いつもより長く目合わせて来とるな…
と思ったら、怪しいと思ったほうがいいかもしれない。
6.安堵の表情
相手が嘘をついていれば、安堵の表情は意外と簡単に確認することができる。
相手にカマをかける行為にはなるが、最初は嘘をついているであろう相手に事実関係を追求し問い詰めていこう。そして、ある程度相手の話を聞いたところで、相手の言い分を信じたフリをしてみるといい。
そして、あなたが相手の言い分を信じた瞬間、相手の表情の変化を見落とさないよう注意深く観察しよう。
一瞬でも「ホッ」とした様子(閉じていた口を軽く開き、息を吐くなど)を見せたら、それは嘘がバレなかったことによる安心から緊張が解かれた瞬間を意味する。
7.言葉と表情のズレ
嘘をついている人が嘘を問い詰められると、
名前
俺がお前に嘘つくわけないやろ…
と言いながら、軽く笑っていることがある。
これは、本心を笑いで覆い隠そうとしたり、相手の追求が的外れであると思わせたいがためにそうすると考えられる。
また、嘘をついていないのについている扱いをされると、普通の人は悔しさや納得できない理由から怒りを覚える。口調は荒くなっているのに表情がそれについてきていないときは嘘をついている可能性があるかもしれない。
8.舌の動き
人は嘘を問い詰められたり、緊張状態にあるとき唇の内側が乾いてくる。
これについては以下の関連記事で詳しく解説しているので参考にしてもらいたい。
人が嘘をついているときは、身体のあらゆる場所にちょっとしたズレが出る。そのちょっとしたズレをどれだけ俊敏かつ瞬間的に拾えるかが、嘘を見抜くために必要な観察力となる。
嘘を見抜く際に観察するポイントは他にもあるが、まずは今回紹介した8つを意識して相手を観察してみてほしい。
嘘が確定するときは、少なくとも3つ以上の条件が重なったときと言われている。今回列挙したうちの一つを確認しただけで相手が嘘をついていると思い込まないよう注意してもらいたい。これらはあくまで嘘を見抜くための手掛かりの一つである。