下唇を噛むしぐさに隠れた人間心理

無意識に下唇を噛むしぐさは、その表情の裏側に特定の感情が隠れていることを裏付ける手掛かりの一つである。

今回は下唇を噛むという動作に隠された意味と、会話中に相手がこの表情を見せたときの対応を紹介しよう。

意外と直面する機会があると思うので、人が無意識に下唇を噛むときには相手の中で何が起こっているかを知っておくと、言葉には出てこない真の感情にいち早く気づけるきっかけになるはずだ。

下唇を噛む表情

下唇を噛む女性の写真を以下に添付した。それぞれの女性からどんな感情が読み取れるか、解説を見る前に少し考えてみてほしい。

おそらく、どちらの女性からもポジティブな感情は受け取れなかったはずである。

  • 何か言いたそう…
  • 何かを我慢してそう…

もし、そのような感情もしくはそれに近い感情を受け取ったなら、あなたは人の表情を読む能力をすでに持ち合わせているのかもしれない。

練習と経験を重ねれば、言葉には出てこない相手の感情を表情からも読み取れるようになるだろう。

下唇を噛むしぐさでわかる人間心理

下唇を噛む動作は、

  • 言いたいことがあるけど言えない
  • 言いたいことがあるけど我慢している

そんなときに無意識にやってしまう表情の一つである。

どんなケースでこの表情が見られるか、簡単な例をあげてみよう。

下唇を噛むしぐさが出やすいシチュエーション

  • 後処理が面倒なミスをした部下のケツ拭きを、上司がしなければならなくなったとき
  • 親友だと思っていた友人が、陰では自分を叩いていると知ったとき
  • ある事柄について問い詰められ、真実を知りつつ嘘をついている自分に自覚があるとき
  • 必死に訴えているのに、信じてもらえないとき

何かを隠していたり、何かを知っていたり、言いたいことがあるのに言えずにいたり、表に出てきている事象とは対(つい)になる感情を抱いているときに下唇を噛む動作は見られやすくなる。

会話の途中で相手が下唇を噛むしぐさを見せたら、

  • 何か言いたそうやな
  • 納得してないな

と判断してほぼ間違いない。

自分がしゃべっているときや周囲の誰かがしゃべっているときに下唇を噛んでいる人に気づいたら、

〇〇(下唇を噛んでいる人の名前)はどう思う?

など、その人に話を振るなどして、腹の中にある本音をしゃべらせる機会を与えるようにしよう。

下唇を噛むしぐさは、相手や周囲に対してネガティブな感情を抱いているときに無意識に出るしぐさである。

不満や不服があることを暗示する動作で、例えば、テーブルを椅子で囲っているような席ではその事実に誰も気づかないでいると、相手は腕や脚を組みはじめ、テーブルに肘をついて手で顔を支えるような姿勢をとり、片方の口角だけを上げる軽蔑を示す表情に加えて、視線を上げるときは顔を下に向けたまま目だけをしゃべっている人に向けるだろう。

まとめ:下唇を噛むしぐさに隠れた人間心理

下唇を噛むしぐさを確認したときは、「言いたいことがあるけど言えない」「言いたいことがあるけど抑えている」状態と覚えておこう。

会社の朝礼や行事ごとのように行われる中身のない会議、寄り合いなどの席では、スピーカーだけに目を取られず、その話を聞いている周囲の人にも目を向けてみると面白い発見があるはずだ。

また、腹の中で思っていることに「怒り」や「悲しみ」が混在している場合は、以下の女性のようにいったん唇を舐めたのちに下唇を噛むようなケースもある。

注意深く相手を観察していれば、唇を舐めた直後に下唇を噛むのは意外とよく見かける組み合わせであることに気づくだろう。

唇を舐める

人は極度の緊張状態にあると唇の内側が極端に乾いてくる。唇を舐めるしぐさは、緊張を緩和させようとするときや自分を落ち着かせようとするとき見られる無意識に出るしぐさの一つ。特に、自分の嘘を相手が信じたと確信した直後は、緊張から解放されるリラックスによって顕著にあらわれる。

唇を舐めた直後に下唇を噛むのは、言いたくても言えなかったことや今までずっと抑えてきた思いに加えて、言葉を超えて溢れてきそうな感情をなんとか抑えようとしているときに見られる場合が多い。

上の女性の表情と照らし合わせてみると、納得がいくはずである。

オリンピックや冬の高校サッカーなどで悔し涙を流しているアスリートや選手たちを見ると、下唇を噛みしめて悔しい気持ちと現実を受け入れようとする葛藤と戦っている姿を目にするはずだ。

人が下唇を噛むときは、内に秘めた真の感情(怒り・悲しみ・悔しさが混在している場合もある)をなんとか抑えようとしているときに見られる無意識のしぐさ。

職場の上司や部下、大切なパートナー、友人など、相手の心の中にある真の感情にいち早く気づくための知識として覚えておいて損はないだろう。

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