あの人の話は聞くのに、何で私の話は聞いてくれへんのやろ?
話をきいてもらえない女性
あなたにもそんな経験が一度や二度ないだろうか。
あなたがこの記事にたどり着き、そしてこの記事を読むことでその解決方法がわかるかもしれないと少なからず期待しているとすれば、恐らくあなたはこの記事を最後まで読むつもりでいるだろう。
もしそうなら、今あなたのストレスは極限に近い状態にあるのではないだろうか。
そして、この記事を最後まで読み終えても解決策が見つかっていなければ、
やっぱり、この悩みを解決する方法はないのか…
話をきいてもらえない女性
と失望するのだろう。
だとすれば、今もっとも優先的に解決したいと考えている悩みであり、今まさにその悩みに直面している最中ではないだろうか。
誤解がないよう最初に断っておくが、互いに感情を持ち合わせる者どうしで築き上げていかなければならない人間関係において、自分が望んでいる結果を100%実現できる方法は皆無である。
これはいつ、いかなる場合においても共通して言えることで、科学の力をもってしてもそれは不可能だ。
人の持つ『(複雑な)感情』のせいで、その障害を100%避けることはできないからである。
ただ、100%実現できる方法はないにしても、100%に近づける方法は存在する。
その方法にどこまで近づけられるかがこの悩みを解決に導くカギになり、その解決方法をお伝えするのが今回の記事である。
相手の感情をくみ取ろうとする姿勢を示さない人に、人は決して心を開かない。
この記事を読んだだけで「話を聞かなかった人が聞いてくれるようになる」と思っている人は、間違いなく今までと何ら変わらない状態が続くだろう。
しかし、今回の記事をきっかけに人の感情を『深く理解する』ことに重きをおき、自分を冷静に分析し、改心する用意がある人は”話を聞いてほしい人が、話を聞いてくれない“などという残念無念な悩みとは金輪際、縁を切れる。
もう、”自分の話を聞いてもらえない“なんて些細な悩みに時間を取られることも、ストレスを感じることもなくなるのである。
あなたがどちらを望むかは、あなた自身が決めればいい。
話を聞いてもらえない女性
人の話を聞かない人は、聞かない人間の『人格』に問題がある…
と考える人は、それもいいだろう。
でも、「それではどうにもならない」と思い始めているから、あなたはこの記事の後半にその答えがあることを期待してここまで読み進めているはずである。
あなたが求めていないことにあなたの貴重な時間をいただくわけにはいかない。なので、仮にあなたがそういう考えだったとしたらもうこの先を読む必要はない。
なぜなら、あなたのストレスを大きくする話を深堀りすることしか書いていないからだ。
しかし、もしも
話を聞いてほしい男性
相手が自分の話を聞いてくれないのは、自分が気づいていないところにその原因があるのかもしれない。だとしたら、その原因に気づきたいしそれを改めることで相手が話を聞いてくれるようになるのなら、そうしたい。
と思うのであれば、あなたがこの記事を読み終えたときには、あなたのストレスを極限にまで押し上げた悩みの解決方法を根本から知ることになるだろう。
相手が誰に変わろうと、今後同じ問題で悩むことは二度とないと約束する。
話を聞いてほしい人が、聞いてくれない…
話を聞いてほしい女性
こんな厄介な問題とは、今日で”さようなら”だ。
誰でもいいわけではない
あなたも自分で気づいているはずである。
自分にとってどうでもいい人に自分の話を聞いてもらいたいとは思っていないことに。そして、そんな人に話を聞いてもらえなかったところで何とも思わないことにも…。
話を聞いてほしい人に限って、聞いてくれない…
女性
自分の話を聞いてもらえないのに悩むのは、相手が自分にとって『意味のある人』の場合にしか起こらない悩みのはずである。
大切なパートナーであったり、家族であったり、職場の上司部下の関係であったり…。
人は、自分の裁量で判断が許される事柄において、やってはいけないところで感情による意思決定を行う場合がある。
例えば、自分が任されている仕事で誰にも文句を言わせないだけの結果を出しているのに、「生意気」「気に入らん」「人間的に好かん」という個人的な感情による理由で成果を還元しなかったり、わざと本人の負担になるようなことや困ることを社内での立場を利用して命じる上司などがそうだ。
大企業では、気に入らない部下を困らせようと社内での自分の立場や権限を利用して、大がかりな引っ越しをしなければならなくなるほどの人事異動をかけ、断れば解雇するといったタチの悪い人間もいる。
本来、人事異動は社員や組織の成長および事業方針によって決定されるものだが、会社や組織がもつ人事権は意外にも強く、人事異動は原則として拒否できないことになっている。
業務命令の一環により拒否すれば「懲戒」の対象になるため、表向きは本人の意思で退職を願い出たかのように見せかけるために、給料を減額する口実としてわざと慣れない仕事や閑職に異動させて心理的に追い込み、自主退職に誘導するケースも珍しくない。
気の毒な話だが、今も日本のどこかで人事権、懲戒権の乱用に苦しめらている人がいる。
クソみたいな人間が人の上に立つと、それ以上のクソ会社ができ上がる。
そういう人間と関わっているとそれが普通になってしまい、気づいたときには人を見る目が腐っていて、まともな人間からは相手にされなくなっていたりするものだ。
人を蔑(さげす)む人間に余計な『力』を持たせると、その力を感情で行使するようになる。大人の図体をした子供だ。
人が苦しむのを楽しむような人間は、いずれ人に苦しむ自分に後悔するときが来る。心のない人間に、人は決して振り向かない。
話を聞いてもらえない人の大半は、話を聞いてほしい相手に自分では気づいていない『なにか』を欠いていることから気づかなければならない。
話を聞く人と話を聞かない人
人は無意識に人を選んでいる。
いくらあなたの話を聞かないといっても、その人が耳を傾ける人は必ずどこかにいる。
- 担任の話は聞かないのに、塾講師の話は一言一句漏らさず真剣に聞く親御。
- 親の私の話は聞かないのに、祖父母の話は素直に聞く我が子。
- 課長の私の指示は聞かないのに、補佐の指示は黙って聞く部下。
- 俺の話は聞かないのに、彼女の話は聞く親友。
身内も他人も関係ない。なぜ、こんなことが起こるのか。
人には見ようとしないと見えないことがたくさんある。悩みの多くは、普段見えていないところにその原因が隠れていたりするものだ。
まずは、あなたの身近であなた自身に同じようなことが起こっていないか、考えてみてほしい。
- 内容問わず、話しかけてもらえるだけで嬉しい人(好意)
- 話し出すと、気分が良くなっていつまでもしゃべってしまう人(聞き上手)
- 必要なこと以外は話しかけないでほしい人(極力しゃべりたくない)
- 話どころか同じ空気を吸うのも嫌な人(話をする理由がない)
あるという人は、自分がどういう理由で彼らを分類しているのか考えてみほしい。
自分自身を問い詰めれば、その答えは簡単に出てくるはずだ。
話を聞く気になれない人
まずは、話を聞く気になれない人にはどういう特徴があるかを知っておく必要がある。
これがわからない人は、一生話を聞いてもらえる日は来ないだろう。考えるのが難しいという人は、自分が話を聞く気になれない人を想像してみるといい。
- 自分の話を聞いてくれない
- 自分の陰口を聞いたことがある
- 仕事や生き方を否定された
- 大事な人を悪意をもって傷つけられた
- 都合のよい解釈しかしない
- 相談しているのに自分の話をする
- 理解しようとしてくれない
- 金(カネ)の話しかしない
- 固定観念が強い
- 大きな裏切りにあった
- 好き嫌いで判断する
- 言葉を選ばない…
ざっくり並べたが、人はこういう人と自然に距離をおくようになる。
確かに、そういう人の話は聞く気になれない。先に述べたことをすると、人が話を聞かなくなるのはわかった。では、今後どうすれば話を聞いてくれなかった人が聞いてくれるようになる?
話を聞いてもらえない男性
話を聞いてもらえない人の多くは、相手の利益よりも自らを納得させることを優先的に相手を説得しようする人が圧倒的に多い。
言葉では相手のためを思って言っているようなことを並べていても、本心は自分のお願い事や頼み事を相手にのみ込ませることで自らを納得させようとしていることが多いはずだ。
自分の話を聞かない相手を怒る男性
お前のためを思って言うとるんやぞ!なんでそれがわからんねん!
というときが、まさにそうである。
考えてもみてほしい。人が人にお願い事や頼み事をするときに、だれが怒ったりイラついたような態度で頼むだろう。
どちらかというと、申し訳なさそうに頼むのが普通である。
自分の話を聞かない相手を怒る男性
- お前、これ明日までにやっとけよ!(さもないと…)
- これ、〇時までに絶対終わらせろよ!(終わらんかったら俺が怒られる…)
言葉と態度が一致しないときは、だいたいその後ろに隠れている言葉がその態度を作っている本当の理由だったりする。
この言葉と態度(表情を含む)の矛盾が感覚的に相手に届いてしまい、相手はあなたの話を聞こうとしないのだ。
本音を受け入れてほしいときにスキルやテクニックは使わない
スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」という名著がある。
世界で販売部数3000万部を記録した、TSUTAYA以上の規模を持つ書店(丸善・紀伊国屋など)ならどこでも見つかるほど有名な著書だ。
この本の著者のスティーブン・R・コヴィーは、世界でもっとも影響力のあるアメリカ人25人の一人に選ばれ、国際的に高く評価されるリーダシップ論の権威であると同時に、家族問題のエキスパート、教育者、組織コンサルタントとして活躍した実績を持つ人物である。
彼はこの著書の「第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される」の中で、今回の内容に直結するともいえる核心に触れている。
特に著書の内容に関する引用に規制はかけられていないようなので、その一部を引用してみよう。
ある父親が私にこう言った。
「息子のことが理解できない。私の言うことをまったく聴こうとしないんですよ」
「今あなたがおっしゃったことを繰り返すと、あなたは息子さんを理解していない、息子さんがあなたの話を聴かないからだ、ということですね?」と私は尋ねた。
「そのとおりです」
「もう一度言いますよ。息子さんがあなたの話を聴かないから、あなたは息子さんを理解できないのですね?」
「そう言ったはずですが」と彼は苛立たしげに答えた。
「誰かを理解するには、その人の話を聴かなければならないものだと思っていましたが」「あなたは息子さんの話を聴く必要があるのです」と私は示唆してみた。
「そうか」と彼は言った。しばらく間をおいてから、「そうか」とまた言った。霧が晴れたようだった。「そうですよね。でも私は息子を理解してはいるんです。息子の今の状況をよくわかっているんです。私も昔同じような経験をしましたから。理解できないのは、なぜ彼が私の話を聴こうとしないのかということなんです」
この父親は息子の頭の中で何が起きているのかまったく見ていなかった。彼は自分の頭の中を見て、そこに息子の世界も見えているものだと思い込んでいたのである。– 『7つの習慣 人格主義の回復』 –
彼は、ほとんどの人がこれと同じようなことをしているという。
加えて彼は、話を『聞く』姿勢は以下の4つのレベルのどれかだと続ける。
- 相手を無視して話をまったく聞かない。
- 聞くふりをする(あいづちは打つが、話の中身はまったく耳に入っていない)。
- 選択的に聞く(話の部分部分だけを耳に入れる。3歳~4歳ぐらいの子供のとりとめもなく続くおしゃべりには、大人はたいていこんなふうにして付き合う)。
- 注意して聞く(神経を集中して、相手が話すことに注意を払う)。
ほとんどの人は4番目のレベルが最高。ところが、実はもう一段上に5番目のレベルがある。これができる人はそういないのだが、それは…
– 『7つの習慣 人格主義の回復』 –
話を聞いてもらえない人の大多数が、相手の話は1~3で聞き、自分が話す側になると相手には4以上の姿勢を求める傾向がある。こういう人は、相手の話を聞くことよりも自分の話を聞いてもらうことのほうが重要になっているはずだ。
だから相手の話には上っ面で、聞いているように振る舞い、自分がしゃべりたくなると相手の話を遮ってでも自分のタイミングでしゃべりだしたりする。
相手の話を1~3の姿勢で聞くということは、自分の話も1~3で処理されることに同意しているのと同じである。
相手は何も悪くない。あなたと同じことをしているだけである。
男性
お前の話は聞かれへんけど、俺の話は聞いてもらう!
国や自分が所属する組織の決定事項なら、納得するしないは別として人はそれに従うだろう。ところが、個人と個人の間でこの理屈は通用しない。
上司と部下であろうが、親と子であろうが、先輩後輩であろうが関係ない。立場が上だろうが、人生の先輩であろうが、明らかに年下に見える相手であろうが、それ以前に人を人として見れない人間はその時点で問題があり、ナメられる。
話を聞かないという態度は、相手に対して内に秘めた何らかの感情からくる反発や抵抗を意味する。心のどこかでナメられていることを示す態度の一つと言えるかもしれない。そして、あなたの話を聞かない人を作った原因は、その相手ではなくほぼ100%に近い確率であなたにある。
相手があなたの話を聞かないのは、あなたの話を聞くことで何らかのストレスを抱えることになるという結果を、話を聞く以前にわかっているからだ。話の内容そのものを聞きたくないのではなく、話をする人間を拒絶しているのである。この場合、何を言っても相手は話を聞こうとしない。
心理テクニックやそのスキルというのは、人格や人間関係の土台からは切り離されたものである。テクニックを使って相手の話を聞くのは、場合によっては相手を侮辱することにもなる。
テクニックを使うということは、相手の立場ではなく自分の立場で聞き、結局のところ自分の自叙伝を押し付けようとすることに変わりはない。例え自分の話をしなくとも、話を聞こうとする動機がどうしても自叙伝になってしまうのである。
神経を集中して熱心に話を聞いているかもしれないが、頭の中は
男性
- 次はどう返事しよう
- どう言えば相手をコントロールできるだろう…
と考えを巡らせている。そうじゃないのだ。
相手が話していることに「どう答えるか」「どんな言葉を返すか」を考えるかではなく、相手の口から出てくる言葉を聞いて、その言葉を使って相手が
- どういうことを言おうとしているのか
- どういうことが言いたいのか
を察して、言葉には出てこない心の奥にある本当の真意を見ようとしないといけない。
話を聞く本来の姿勢というのは、まず相手のことを理解しようと聴くことであり、相手の身になってその話を自分のことのように聴くことである。
- 相手を理解しよう
- 本当に理解したい
という気持ちで聴くことが重要なのであって、パラダイム(思考や行動に影響を与える枠組み)が全く違うのである。
相手が見ている世界を、相手が見ている目線から見る。
相手の口から出てくる言葉聞いて、それについてどういう返しを用意するかではなく、まずは相手の話を聞いて相手が感じていることや見ていることを自分に描写し、
- 今どういう気持ちなのか
- どういう思いなのか
- どういう感情に駆られているのか
を相手が感じているとおりに自分でも感じてみるのだ。
そうすることで、自分本意の言葉や思考というのは自ずと選択肢から消え、相手目線の言葉を選ぶようになることから相手はあなたが口にする言葉から、
理解しようとしてくれているのかな…
話を聞かなかった女性
と思うようになり、相手の話も聞いてみようという姿勢を見せ始めるのである。
新人が育たない、部下を動かせないのは上司(リーダー)に問題がある
人は誰もが自分のことを理解してほしいと思って生きており、自分のことを理解しようとしてくれない人間を理解しようとは思わない。
ここでは、会社の企画部などで起こりうるケースを例にしてみよう。
今度の企画の件ですが、これに決めることにしました。
今度の企画の件で、あなたの意見をぜひ聞かせてください。
事後報告されても、聞いたほうは
男性
あっ、そう…
って感じである。
男性
結局、最後はお前が決めるんやんけ。せやったらいちいち聞くなや、腹立つわ!偉そうに”俺は仕事できる”みたいな態度しくさりよってからに。
そう思われても仕方ない。
しかし、まだ企画が進んでいる最中に意見を求められると、聞かれたほうはどう感じるだろうか。
まず、自分の存在がそこにあることを自覚するだろう。次に、直接意見を求められたことで少なからず自分に期待と信用があることも確認できる。
また、「俺は頼りにされている…」という心地よささえ感じる人もいるかもしれない。
同じ目的に向かって動いている間柄において、「あなたの意見をぜひ聞かせてください」と言われて気分を悪くする人や断る人はいない。
なぜなら、「あなたの意見をぜひ聞かせてください」という表現の中には、こちらの目的を断りにくくするための心理的要素が埋め込まれているからだ。
話を聞かせるための心理的要素を埋め込む
結局のところ、人を動かすために最後に必要なってくるのは心理学である。知識の有無にかかわらず、それを感覚的にもわかっていない人間に人は絶対に振り向かない。
下記の例を比べてみると、その違いがよくわかるはずだ。
- 今度の企画の件、これに決めようと思います。
- 今度の企画の件、どう思いますか?
- 今度の企画の件に、意見はありますか?
- 今度の企画の件で、あなたの考えをぜひ聞かせてください。
①は論外である。説明するまでもないだろう。
②は意見の機会は与えているが漠然としすぎている。ほぼ決定やけど「意見だけ聞いておく」ともとれる表現だ。
③も意見の機会を与えているが、補足や反論をうかがう言い回しである。言葉不足で②と大差はない。
②と③は「意見の内容」ではなく「有無」を問うときの言い回しで、「あってもなくてもどちらでもいい」と解釈できる表現となる。
④は企画に関わるメンバーの一員であることはもちろん、期待と信頼を置いていることが言葉に含まれている。
また、「答えても答えなくてもいい」という選択肢を排除し、「聞かせてください」という謙譲表現を使うことで相手を立て、より「答えなくてはならない」「答えてあげてもいいか」という心理をあおっている。
ほとんど字数の変わらない一文だが、「何を言うか」ではなく「どう言うか」で、相手のとり方はこれほどまで変わってしまうのである。
自分が言いたいことをそのまま口にするのは誰にでもできる。
自分が相手の立場になって、実際にこういう表現をすると自分ならどう聞こえるかを事前にシミュレーションしてから発言できるようになると、口から出てくる言葉も相手に伝える言葉も、その場に応じてどういう言葉が適切であるかがわかるようになってくるだろう。
押しつけたり決め付けたような言い方ではなく、相手の主張が採用される可能性がある段階でその機会をふってあげる(『主張( 意見 )できる機会を必ず相手に与える』)必要がある。
そうすることで相手は自分の存在を無視されているとは思えなくなり、あなたの話に耳を傾けるようになる。
相手の口から直接相手の言葉で意見を求めることで、
男性
- 自分は信用されている
- 期待されている
- 頼りにされている
と思うようになり、何より自分の存在が相手の中にあると思うので、話を聞いてくれるようになるのだ。
男性
いや、『テクニックやスキルは使わない』て言いましたやん!
『心理的要素を埋め込む』て、それテクニックですやん!
そんな声が聞こえてきそうなので、これも誤解がないよう説明しておこう。
テクニックやスキルは、使う必要がなければ使わなくていいものである。しかし、使わなければならない場所もあるということはわかっておいてほしい。
例えば、成功するマーケティングやマネイジメントの背景には、必ずと言っていいほど人の心理をカバーした戦略が取られている。目には見えないところでそれが機能しているため、人はその事実に何の疑いをもつこともなく、自分の思考や行動を『自分の意思』によるものだと思い込む。
AppleもMicrosoftもAmazonも当たり前のように使っている。
新しいiPhoneが出るたびにそれを追いかける人がいたり、今でもMacよりWindowsユーザーが多い理由であったり、Amazonは「早い」「安い」と思い込んでいる人がいたり、これらはすべて私たちが任意に選択した結果の集合ではなく、こうなるように仕組まれた結果なのだ。
テストもせず、戦略もなしに新しい商品を開発したところで売りたいものは売れない。企業は経費をかけて商品を開発しており、売れたらいいではなく、売らなければならないのである。
そう、失敗はできないのだ。
となると、そこにはモノを売る、すなわちユーザーの興味を引き、関心を集め、商品を提供する代わりに『支払い』という壁を消費者が確実に超えてくる戦略が必要になる。
管理人
”テクニックやスキルを使って相手の話を聞くのは、場合によっては相手を侮辱することにもなる”
という表現を使ったが、これはテクニックやスキルそのものが相手を侮辱することになるということではなく、そのテクニックやスキルを使う『動機』が重要だということだ。
まとめ:話を聞かなかった人に話を聞かせる
私も昔から、親によく言われていた。
父親
人の話はちゃんと聞きなさい!
恐らく、ほとんどの方が言われてきた言葉だろう。ただ、実をいうとこれでは言葉不足なのである。
正しくは…、
- 人に話を聞いてもらいたいなら、まずは相手の話から聞きなさい
人に話を聞いてもらいたいなら 本当のメッセージ
まずは相手の話から聞きなさい 意見(お願い)
「なぜ、そうしなければならないのか」というところが抜けていると相手はその部分を省略して受け取ってしまい、こちらの意図が届かないまま相手には押しつけられたように聞こえている場合があるからだ。
他の人の迷惑になるので なぜ
タバコはやめてください 意見
目上の方に失礼なので なぜ
言葉を選んでください 意見
すぐ怒る性格なので なぜ
気をつけてください 意見
男性
- どうしても伝えたい…
- わかってほしい…
というときは、「なぜ」を抜かさない言葉で伝えてみるといい。「なぜ」が抜けている場合、受け取った側にその「なぜ」が届いていないと相手は本当のメッセージに気づかないからだ。
二回に分けて、後から「なぜ」を付け加えると後付けみたいに聞こえることがあるので、できるだけ一回で言えるほうが望ましいだろう。
自分の話を聞いてほしいときはまず相手に言い分がないかを探り、あると判断した場合は先に相手の話を聞くことに努めるようにすると聞いてくれるようになる。
相手のストレスをグラス一杯の水に例えるなら、相手が腹の中に溜め込んでいるものがあるのに、そのグラスが受けられないほどの水(要求)を入れようとすると当たり前だが水は零れて流れていく。まずは、グラスに残っている汚れた水を捨てなければならない(相手が溜め込んでいるものをすべて吐き出させる)。
そうすることで、空っぽになったグラスは、グラス一杯の新鮮な水を受けられる(あなたの話を聞く準備が整う)ようになる。
準備が整うだけで、話を聞くかどうかは別。
聞くフリでもなく、選択的に聞くわけでもなく、相手の口から出てくる言葉や相手が使う言葉から、相手が『どういうことを言おうとしているのか』、『どういうことが言いたいのか』を真剣に考えながら聞くのである。
相手を『本気で理解しよう』『理解したい』というその姿勢が、相手を無視した上っ面で聞いていると思われるような言葉を選ばなくなるからだ。
今回の内容をまとめると、自分の話を聞いてほしいときは、
- (相手に言い分があるときは)先にしゃべらせる。
- *言葉そのものを真に受けず、相手が使う言葉から『どういうことを言おうとしているのか』を相手の立場で真剣に聞くことに徹する。
- 相手がしゃべっている途中に話を遮ったり欠点や詰めどころを探してはならない。相手と同じ気持ちになって相手の目線から相手が見ている世界を一緒に見るようにする。
- 相手がどういうことを言いたいのかが理解できたら、それらを整理して自分の頭の中にある言葉や自分が言いたい言葉ではなく、相手が望んでいることに共感や同意を示す言葉に置き換えて発言する。
- 相手が落ち着いてきたのを確認したら、本当の要求を一つだけ伝える(このときの相手の反応は気にしなくていい)。
人はそのときの感情で相手に使う言葉が一時的に変わる場合があり、いつも”○○さん”と呼んでいるのにその人間に『怒り』を感じているときは”あいつ”と表現したりすることがある。固有名詞(○○さん)で呼んでいた人を代名詞(あいつ/お前)で呼ぶときは、相手と距離をとろうとしているときに出る行動のひとつだ。 固有名詞から代名詞に呼称が変わるのは相手を遠ざけようとするサイン こういうときは、相手が使う言葉(「口が悪い」など)には触れず、感情(怒っとるな…など)を見ることに努めるようにする。
あなたがしっかり相手の話を聞いていて、相手が『自分のことを真剣に理解しようとしてくれていた』と思っていれば、そのときあなたの要求にどんな態度を示そうが、心の中ではあなたの要求を聞こうと自らを説得しようとする。
すでに関係がこじれている場合はすぐには難しいと思うので、その場合はとにかく『相手を優先』にすることから始めてみるといい。少しずつこのプロセスを重ねていくことで改善されるようになるはずだ。
人は誰もが『自分が理解されたい』と思って生きている。
この心理をわかっている人間は、『先に相手を理解する』ことで『自分も理解される』ことをわかっているため、最後に「自分の話を聞いてもらいたい」という要求がある場合は、その目的の障害になることやわざわざ自分が不利になるようなことはしない。
相手の現状を知る前に自分の都合だけで相手に絡みだすと、余計な悪材料が出る可能性が高くなる。先に相手の話を聞くことに徹すれば、
- 相手が何を考えているのか
- 今、どういう心理状態なのか
も事前にわかる。
- 今この話はしないほうがいい
- 今この話をしても耳に入らない
先に相手の話を聞くことで、今やるべきではないことにも事前に気づけるようになる。
「聞き上手は、話し上手」と言われるのは、決して話そのものが上手い人のことを言うのではなく、先に相手を理解することに努めることによって、最後は相手もこちらの要求を聞かずにはいられなくなってしまうよう、相手の心を動かすのが上手い人のことをいうのである。
話を聞かない人に悩んだときは、この記事を何度でも読み返してみてほしい。
何を書いているかではなく、どういうことを書いているかがわかったとき、この悩みとは縁が切れるからだ。
今回の内容をもっと深く知りたいという方は、先ほど触れた以下の名著を手に取ってみることをおすすめする。
また、話を聞いてもらえるようになるだけでなく、人を引き寄せる人にはどういう特徴があるのかにも興味関心がある人には、あのメンタリストのDaiGo氏も『気づき』があったと推奨している、以下の著書も併せて紹介しておこう。
検索できました。ずっと悩んでいたので試してみようと思います。ありがとうございました。
姉が誰に対しても被せるように否定してきます。
自分だけが正しい他は間違っている。私が正しいから教えてやってるのになぜわからないんだ、バカだ、頑固だ、と押し付けてくるのにウンザリしています。
3の部分を拾って聴ける部分を聞くだけだと自分を尊重されてないと思うらしく、怒ります。
姉の操り人形として生きるか絶縁するか、しか選択肢がない場合はどうしたらいいのでしょうか。
例文で例えるとの「他の人の迷惑になるので」
の、迷惑に、、くらいで被せて「そんなのあんただって!!!!」と、ひたすら責めてまるきりキャッチボールにならずこちらの言いたいことはまるきり発せません。
ひとしきり聞いた後は自己完結しているのでそこから自分の意見を伝えるとあんたは人の話を聞いてなかったのか!!が始まりひたすら自己主張しかしません。
そういう人にはどうしたらいいのでしょうか
ネコすき 様
お問い合わせいただいた内容について、先ほどお預かりしたメールアドレス宛にご連絡させていただきました。パソコンのアドレスからご連絡させていただいておりますので、メッセージが届いていない場合は大変お手数ではございますが、再度コメント欄からお知らせ願います。
ランキングから来ました。はじめは相互リンク目的だったのですが、内容を読むにつれてすっかり興味を持ってしまいました(笑)
定期的に読みにきたいと思います。
よろしくお願いします(^^)
例外があると思います。
発達系の人と自己愛の強いタイプは、当てはまらないのではない場合があるかと。
私は話を聞いてほしい人ですし、どちらかといえば会話を楽しみたいのですが、どうしても聞き役になってしまいます。
親身になって、相手のより話したい方向へ話が進められるように、質問を挟み、
話を聞きましたが、傾聴もどきが上手くいく過ぎたのか、壁打ちの壁のような役を
もう何人にも繰り返しています。
そういう人は、自分がしゃべるときはとても生き生きするのですが、
私が話すときは、どうでもよさげで、口をはさむタイミングを待っている感じです。
私の話がつまらないからか、しかし、一方的に話を聞いているもの大変つまらないです。
そこを態度で表せない私の、問題も大きいですが、
私が失敗してきた相手は、普段満足に話を聞いてもらえない人ばかりだったのかなと思います。
もう、その人たちの話は聞きたくない、相手をしたくないと思うので、
やはり、「他人の話を聞かない人は、話を聞いてもらえない」は
合っていると言えるのでしょうか。
「発達系の人と自己愛の強いタイプは、当てはまらないのではない場合があるかと」ですが、こういった障害は先天的なものではなく、幼い頃の環境に起因しているケースが大半を占めていることが確認されています。
幼少期にちゃんと愛情を受けて育った子供や、親友と呼びあえる友達に囲まれて大きくなった人間は基本的にそういった障害には縁がありません。
自分がしゃべっているときは活き活きしているのに、人が話しだすと「また始まった…」みたいな態度になるのは「人より自分」が優先、つまり自分が満たされてからでないと人を受け入れられない状態で、話がつまらないとか興味がないというのとは直接的には関係ないです。
仮に話がつまらないというのが本当の理由なら、会話と会話の間に頻繁に沈黙ができたり、聞こえているはずなのに「なんて?」て聞き直したり、質問に対して目を反らしたままひと言程度の返し(別に/そう?/全然/違うけど…)しかしなかったりで、口を挟むタイミング待っているような感じにはならないはずなんですね。
口を挟むタイミングを待っている感じというのは、「今はとにかく黙って自分の話を聞いてほしい」という状態なので、自分が話すときだけ活き活きするのはそれを証明していると言えるでしょう。
家族に愛されなかったり、友達ができなかったり、さみしい思いをすることが多かったり、なかなか社会に溶け込めない人や、人生後ろ向きで生きている方の中にも似たような方が見受けられ、無意識に他人をストレスのはけ口に使っている方も結構な頻度でお見受けします。無意識なので本人にはその自覚がありません。
そんな人ばかりではないので、今回はたまたま周りにいた人がそういう方だったと割り切って捉えていただければと思います。
人間は誰もが愛されたい、大事にされたい、認められたい、好かれたいと思って生きており、この欲求を満たしてくれる場所が見つかるとそこを心地よく感じるようにできています。動物の習性ですね。
話を聞いてほしい側の人間でありながら聞き役に回れるのは、例え本心では辛抱や我慢をしていたとしてもそれだけ「もう傾聴しない 様」の人間ができている証です。できない人はできませんし、できていないのに自分はできていると思い込んでいる人や、自覚がありながら改心しようとしない人もいるからです。
自分を後回しにしてでも他人を優先できるのは誰にでもできることではないので、今それができるご自身に誇りを持ってほしいと思います。人のために重ねてきた辛抱や我慢は絶対に無駄にはならないので、いつか必ずそれを拾ってくれる人に出逢えるときがくるはずです。
最後に『もう、その人たちの話は聞きたくない、相手をしたくないと思うので、やはり「他人の話を聞かない人は、話を聞いてもらえない」は合っているか』ですが、今は合ってなくてもそれを続けていればいずれそうなっていくでしょうね。
理由は、自分の話を聞いてくれる人が本当にいなくなったときの辛さは、話を聞いてほしい側の「もう傾聴はしない 様」なら、痛いほどわかるはずだからです。