体から体温が引いていくときのあの「スーッ」とする快感、誰もが経験したことがあるだろう。
しかし、あの快感を意図的に作り出す方法は意外と知らない人が多かったりする。暑い日が続いているので、今回は簡単に体温を下げる方法を紹介しておこう。
肉体労働など、嫌でも汗をかく仕事をされている方は熱中症や夏バテを和らげるきっかけになるので試してみてほしい。
体温は操作できる
風邪やインフルエンザなどの理由で熱がある場合を除いて、体温は気温とともに上昇するのが一般的である。気温を操作することはできないが、体温は可能だ。
極端な話、エアコンのきいた店内や部屋に入れば数秒で体温が引いていくのを体感できる。ところが、夏場そんな都合よく太陽から隠れられるときばかりではないし、現場仕事の方なら日陰で休むぐらいしかないだろう。
気温の上昇によって体温も上昇するのを仕方がないと思っている人もいるかもしれないが、まともに陽射しを受けなければ瞬間的に体温を下げる方法はある。
短時間で効率よく体温を下げるためには、「体の仕組み」を知っているだけでそれが可能になるのである。
そこで、暑くてたまらない時、あなたなら下記の2択のうちどちらを気持ちいいと感じるだろうか。
- 冷えていくのを部屋で待つ。
- 冷えた部屋にいきなり入る。
- 氷の入った水に手をつける。
- 氷の入った水に足をつける。
- 普通のグラスにキンキンに冷えたビール。
- キンキンに凍ったグラスに冷えたビール。
- 適度に涼しいと感じる部屋で掛け布団なし。
- エアコンで冷やされた部屋で掛け布団あり。
ほとんどの方が後者を選んだのではないだろうか。
人は不快に感じる時間が長ければ長いほどそれを解決する手段として、即効性のある、より効果の強いものを選ぶ傾向がある。
ところが、体のことをわかっていない人の中には、おかしなことをしている人も意外とたくさんいる。
夏バテしている男性
暑ぃ…
と言いながら額(ひたい)を冷やしていたり、後頭部にペットボトルや濡らしたタオルを当てていたり…。
恐らく頭がボーっとするから無意識に額(ひたい)を冷やそうとするのだと思うが、それではいつまで経っても体温は下がらない。
もっとも合理的に体温を下げる方法は『血液を冷やす』ことである。血液の温度が上がっているから体温が上がるのだ。
頸動脈を冷やすと脳に向かう血液が冷える
頸動脈(首筋)を冷やすと脳に向かう血液が冷えて楽になる。
太い動脈は首筋の他に、わきの下、鼠径部(太ももの付け根)にもあるが、暑さで頭がボーっとするときは頸動脈(首筋)を先に冷やすと脳に向かう血液が冷えて楽になるはずだ。
頸動脈の場所を知らない人がいるが、意外と簡単に見つけられる。
片方の手で首の付け根あたりを強すぎず弱すぎすの力で絞めてみると、左右に脈をうっている場所が指に伝わってくるのがわかるだろう。そこが頸動脈である。
そこを冷やすと、全身から熱が引いていくのを体験できるはずだ。わきの下、鼠径部(そけいぶ/太ももの付け根)も同時に冷やすとさらなる効果を実感できる。
暑い夏は、お風呂から出る直前に頚動脈を冷やしておくと、しばらく気持ちのいい時間が持続する。ぜひ試してみてほしい。