ダイエットを決意したとき、不安のひとつになるのがリバウンド。
失敗の経験があっても成功体験がないと、そんな不安が頭を過るだろう。
ダイエットの成功体験がない女性
- ダイエットしたいけどリバウンドが怖い
- リバウンドしたら今以上にひどくなる
- リバウンドするくらいならしたくない
リバウンドは、環境の極端な変化よる反動からくるものである。
ダイエットを考える女性
- 早く変わりたい
- 早く痩せたい
という理由で、身体に負担をかけ過ぎてしまうことがリバウンドの最大の原因だ。
しっかり計画を立ててストレスを最小限に抑えれば、リバウンドの確率は限りなくゼロに近づけられる。また、時間をかけて確実に仕上がった体は簡単には戻らない。
リバウンドの詳細については触れないが、今回はリバウンドよりもはるかに危険な摂食障害について触れておこうと思う。
リバウンドより危険な摂食障害
ダイエットをするうえで最も注意しなければならないこと、それはリバウンドではない。一時的な環境の変化の反動からくる摂食障害である。
摂食障害というのは拒食症や過食症のことで、厚生労働省の特定疾患に該当する難病のひとつに指定されている。
拒食症はアノレキシアという呼び方もあり、睡眠障害、骨粗しょう症、更年期障害、免疫力の低下から命を落とす場合もあるほどの大変危険な病気である。摂食障害は男性よりも圧倒的に女性に多く、それは下記のような理由によるものだと考えられている。
食事制限はダイエットではない
男性がダイエットをする場合、食事制限よりも運動や筋トレなどを基準に考えるのが多いのに対し、女性の場合は大半が食事制限だけでそれを実現しようと考える傾向が強い。
昨日まで食べていたものを今日から急に抜いたり、一日の摂取カロリーを大幅に落としたり…
食べなければ痩せる
女性
確かに体内に物を入れない日が続き、体重が落ちて行くのを自分の目で確認できれば痩せているように思うかもしれない。
しかし、それは痩せているのではなく、窶(やつ)れているだけである。
拒食症患者は傍から見れば尋常じゃないぐらいやつれているのに、自分より太い人を見て
拒食症患者
- あの人みたいになりたい
- 自分はあの人より太っている
と思ってしまい、自分の現状が分からなくなってしまうことから精神疾患とされている。
拒食症が注目されるようになったきっかけ
1969年~1982年にかけて活動し、21枚ものゴールドディスクを世に輩出したカーペンターズ。21世紀となった今でもその存在は大きく、ボーカルのカレン・カーペンターの歌声は世界中の人々を魅了した。
カレン・カーペンターは拒食症が原因で、32歳という若さでこの世を去り、私が生まれるわずか数ヶ月前に永眠した。拒食症という病気が世間で注目されるようになったのは、実はこのカレン・カーペンターの死からである。
正常な人からすれば、摂食障害の本当の怖さはわからない。
女性
痩せたらまた食べればいい
太ったらまた抜けばいい
しかし、実際はそんな簡単な話ではなく、摂食障害を患う方にはこれといった特別な原因があるわけではない。
10代~20代の若年層に圧倒的に多く、それは日常生活の中の些細なことから摂食障害に陥っているケースがほとんどなのだ。
- 学校で親友から最近太ったと言われた
- 太っていることでいじめが始まった
- 太っている人を見て、こうなりたくないと思った
摂食障害を引き起こしやすい年齢層
この年齢は多感期、反抗期、思春期などが重なり、精神的にも不安定になりやすい時期である。周りの影響を非常に受けやすい時期で、特に女性の場合、多大なストレスから精神疾患に陥りやすくなるとも言われている。
摂食障害は一度患うと克服するまでに数年から数十年もかかり、あまりに過酷なためにその事実に耐えきれず、命を落としてしまう人が増えている。
心と身体が伴わず、食べなければいけないと頭ではわかっていても身体がそれを拒み、高熱や吐き気、嘔吐、更には
- 階段が登れない
- 自転車のペダルにも足が乗せられない
- 平たんな道でも真っすぐ歩けない
- 段差のない道で躓く
- 生理が止まる
- 身体から骨が浮き出す
- 妊娠ができない身体になる
など、人の手を借りずには生活できない状況に陥る。
成長期のティーンネイジャーは家庭よりも外の刺激に影響を受けやすくなっているので、10代のお子さん(特に娘さん)を持つ親御さんは、子供の表情、行動、食事など、日常の細かい変化にも目を向けておく必要がある。
摂食障害は目に見えないところで進行しており、気付いたときのほとんどが手遅れだ。
- 顔ではなく身体を鏡によく映すようになった
- 体重計に頻繁に乗るようになった
- 食べていたものを食べなくなった
- ひとりで食事を済ませるようになった
- 顔に覇気がなくなった
- 目に力がない日が続いている
- 何日も目の下のクマがとれない
- 顔がどす黒い
- 食欲が減退している
- 身体を起こしている時間が減り、すぐに横になる
- 声に力がない
- 眉間にシワを寄せることが多くなった
- 細かくカロリー計算するようになった
- 食べ物が偏り、決まったものしか食べなくなった
- 生理が止まった
- 食べる度に吐き気を感じている
- 歯一本ぐらいの量ずつしか口に運ばない
拒食症に見られる特徴は他にも多々あるが、このような症状を見かけたら注意しよう。
標準体重の60%を下回ると命が危険
実際の体重が標準体重の60%以下になると、生命に危険が及ぶと言われている。
因みに、標準体重(BMI)は以下の式で簡単に出せる。
- 標準体重(kg)= 身長(m)× 身長(m)× 22
大抵の親は食べない娘を見て「食べなさい」と言う。そして、今まで食べなかった娘が一時的に食べだすと「よく食べたね」と言う。
いずれも、言ってはいけない言葉である。
拒食症を患った人は食事に『恐怖』と『恨み』を持っている。安易に食事の話に触れるのは、拒食症を悪化させる原因になる場合があるので十分注意しなければらない。
まとめ:摂食障害の疑いがあるときは行動観察に徹する
拒食症患者は食事に異常なこだわりを持つ。
母親
ご飯食べた?
と聞くと、必ず
食べた!
拒食症を患った娘
と言う。
本人の意思に任せようと思ってご飯を作って出て行くと、帰ってきた頃には食べたような状態で食器が置かれていたりする。
母親
- ひとりやったら食べれるんやな
- それでも食べへんよりはマシか
と思うかもしれないが、そんな簡単なものではない。ゴミ箱、生ゴミを確認してみると、そのままの状態で捨ててあったりする。
冒頭でも述べたが、摂食障害は厚生労働省の特定疾患に該当する「難病」に指定されている。
家庭でどうこうなるほど簡単なものではないので、「何かおかしい」と思ったら必ず専門医の診断を早めに受けさせよう。精神疾患なので、カウンセラーやセラピストに助けを求めるのも選択肢の一つだ。
過去に摂食障害で生死を行き来した知人がいたので、今回はこの記事を書いてみた。
10代20代の娘さんを抱える親御さんで、
- 最近、娘の様子がおかしい
- 今回の症状にハマっているかも
母親
という方がいたら、いつも以上に娘さんの行動を注意深く観察してみることをおすすめする。