プロでもやってしまう二重表現

文章の二重表現は、プロのライターや作家でもよくやってしまう間違いと言われている。

特に違和感がないので気づかないことも多いが、文法上は正しくない。二重表現が入った文章はなんとなくふわふわした、読者に刺さりにくい文章になってしまう。

二重表現の特徴は覚えておくと参考になると思うので、今後の参考にしていただきたい。

二重表現とは

一つの言葉の中に意味の重複がある表現を二重表現という。

表現の重複ではなく意味が重複していることを指すのだが、普通に読んでいる分にはほとんど気づかない。文章が長くなってくると、これが違和感となって読み手に跳ね返ってしまう。

読み手に刺さらない文章の原因になるので、どんなケースがあるか具体的に例を出してみてみることにしよう。

よくある二重表現

後で後悔 後悔
まず初めに 初めに
日本に来日 来日
馬から落馬 落馬
犯罪を犯す 罪を犯す
まだ未解決 未解決
すべて一任 一任
あらかじめ予約 予約

文章中に入り込む二重表現

二重表現は単独で起こるものではなく、文章の一部に入ったときに起こる。

実際は言葉の重複というよりも意味の重複なので、あまり違和感を感じないかもしれない。

しかし、実際の文章で見てみるとそれがよくわかる。

医者

専門家の立場から述べると、次のことが言えます。
特に違和感を感じないかもしれない。しかし、これだけ短い文章の中にも二重表現が入っているのだ。

下記のように添削することが可能である。

医者

専門家の立場から次のことが言えます。
並べてみるとその違いがよくわかると思うが「述べる」と「言えます」は同じ意味。1つにまとめた後者のほうがシンプルでしっくり入ってくるだろう。

言葉に敏感な方は、前者の言い方が少し回りくどく聞こえているかもしれない。

  • 専門家の立場から述べると次のことが言えます。
  • 専門家の立場から次のことが言えます。

同じ意味をもつ言葉が一文の中にある場合、そのほとんどは1つにまとめることができるはずだ。

短い文章や少ない文章では気づきにくいが、長文になったときはそれがよくわかる。

回りくどく感じたり、ストレスを感じる原因が実はこの二重表現だったりするのである。

不要な言葉は添削することで読みやすく伝わりやすい文章になるので、覚えておいて損はないだろう。

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無意識にやってしまう二重表現の原因

人は伝えたい気持ちが強くなると、言葉でその感情を補おうとする。その気持ちが強ければ強いほど、表現を変えて同じような意味をもつ言葉を一文に詰め込もうとしたりしがちだ。

男性

伝えたい…
わかってほしい…
そういたった気持ちが同じ意味をもつ言葉を重複させてしまったり、無意識に二重表現をしてしまう原因と考えられる。

二重表現の解決と対策

二重表現はわかっててもやってしまうミスなので、これは経験するしかない。

短い文章ならそれほど気にならないかもしれないが、長い文章になったときにあちこちで二重表現が入ってくると、回りくどい文章になったり、押しつけられているかのような印象を読者に与えてしまう場合がある。

読者にストレスを与えないためにも二重表現の多用には注意が必要だ。

最初はできるだけ一文を短く抑えること、不要な言葉を添削する意識をもつことで言葉の無駄に気づけるようになり、力のある文章が書けるようになるはずだ。

また、入れなくても文章がつながるならその言葉は要らない。足りている上から足すと余計に文章が複雑になり、読者の理解を遅らせる原因になってしまう。

人が一番心地よく読めるのは、読みながらスッと入ってくる文章である。極力シンプルで単純な文章を心がけよう。

慣れれば一文が長くなっても違和感を感じない文章が書けるようになるので、最初はできるだけ短い文章無駄な表現が入っていないか、回りくどい表現が入っていないか、自分だけがわかってそうな表現を使っていないか、添削できるところはないかなどをチェックするところから始めてみてほしい。

ポイントさえ抑えてしまえば、文章は誰でもうまく書けるようになる。

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