慣用句と聞いてピンとくる人がどれだけいるだろう。
慣用句は実際の会話ではよく出てきたり、使ったりすると思うが、文章を文字に起こして書くときはできるだけ使わないことをおすすめする。
慣用句とは
昔からの習慣や広く使われてきた文句や言い回しのこと。
慣用句は相手にそのときの意図や感情を表現するのに非常に便利なものであるが、使用する慣用句によってはデメリットになる場合があるので注意が必要だ。
慣用句の一例
- 穴があったら入りたい
- 後ろ指を指される
- 馬が合う
- 兜(かぶと)を脱ぐ
- 二の句がつげない
慣用句のデメリット
5つの慣用句を並べてみたが、これら5つの慣用句を瞬時に理解できる人はどれぐらいいるだろう。
慣用句はお互いがその意味を理解している場合はとても便利である。そのときの感情や共通の意味を伝えられるわかりやすい言葉になるからだ。
しかし、どれだけわかりやすくても多用するのは避けなければならない。なぜなら、慣用句は自分の言葉ではないからである。
「つむじを曲げる」と言われてもつむじは曲がらないし、「スネをかじる」といっても本当にかじっている人はいない。もし本当にいたら、かなりの変態である。
なので、こういう表現があると慣用句だということはすぐにわかる。
重要なことは、自分が知っているからといって「読者も知っている」とは限らないということだ。
読者がその慣用句を知らなければ、その文章が理解されることはない。一度その意味を調べ、再びその記事に戻ってくるなんてことは皆無に近い。これが離脱の原因になってしまうのである。
たった1つの慣用句の意味がわからないことで、今まではっきりと頭に入っていた内容が一気にボヤけてしまったり、そのあとの文章がまったく理解されなくなったりするケースがあるので注意しよう。
慣用句が好まれない理由
慣用句は表現の裏に意味が隠れているので、その意味を理解するまでに時間がかかる。
読者の知らない慣用句が入りだすとその時点で説得力が低下し、わからない言い回しや表現に疲れた読者は読むことを止めようと考えるだろう。
わからない…
理解できない…
男性
などの理由が、読者から読む必要性を奪い、ストレスや精読率の低下を招いてしまうのである。
慣用句は読者が意味を完全に理解している場合は非常に効果的な表現であるが、そうでない読者にとっては離脱の原因になることから、デメリットをカバーする意味で使わないほうがいいと言われている。
まとめ:慣用句は使わない
文章を書くうえでもっとも重要なことは、読者が考えないと理解できない表現、理解するまでに時間がかかる表現、読んでいる途中に戻ってその意味を考え直さないと理解できないような表現を使わないことである。
人はイメージできないものは理解できない。わからないことや考えないとイメージできないことは、流し読みや離脱の原因につながる。
「知っている」「便利」などの理由から、難しい表現で知的に見せたりするのはまったくの逆効果なのだ。文字を追いながらそのまま理解できる、小学生でもわかるぐらい簡単な文章のほうが読者からは好まれる。
まったく使ってはいけないというわけではないが、今どき聞かない慣用句、会話で出てこない慣用句、あなただけ知っているような難しい慣用句はできるだけ避けたほうがいいだろう。
無意識に使ってしまっている自分の文章ではなかなかその事実に気けないかもしれないが、実際に慣用句が使われている他人の記事に出会うとその理由がよくわかる。
他人が書いた文章を読んでどういう印象を受けたかを客観的に分析してみるのも、文章を書くうえでは大きな参考材料になるはずだ。
文章を上手く書けるようになるためには、できるだけたくさんの文章に触れることが大切である。