サブリミナル効果
スプラリミナルの解説の前に、サブリミナルについて触れておこう。
意識と無意識の境界領域より下に刺激を与えたときにあらわれる効果のこと。
異なる映像の中に認識できないスピードで別の映像を瞬間的に差し込むことによって、その映像が潜在意識に書き込まれるというもの。
放送や映画などの映像の世界では、この効果の使用に規制がかけられている。
下記の映像(全52秒)を観てもらいたい(前半のスロー再生はパスしてもらって構わない)。
0:35からの通常再生で、0:46~0:47に変わる手前で赤いフラッシュのような映像が一瞬だけ入り込んでくる。これがサブリミナル効果である。
スプラリミナル効果
サブリミナルに対して、スプラリミナルという言葉がある。
聞き慣れない言葉だと思うが、実際はサブリミナルよりもスプラリミナルのほうが心理的影響がはるかに大きいことが確認されている。
サブリミナルはマイナスのイメージを植え付けるのに効果的で、プラスのイメージには効果が得られない。認識していない知覚に訴えるサブリミナルに対して、対象者がその事実をしっかり認識しているのがスプラリミナルである。
認識はしているが、”記憶にはとどめていない”、これがスプラリミナルの特徴である。
スプラリミナルの効果が働く事例をひとつ上げてみよう。
スプラリミナル効果が働く事例
例えば、職場で残業をしている横で、同僚がテレビを見ていたとする。当然、音がするのでたまにテレビに目が取られる。
どうやら焼き肉特集の番組が放送されているようだ。
あなたは、
- ふーん、焼き肉か…
- 確か、先週に食べたな
- あの時は、5人で食べに行ったけ…
男性
そんなことを思うわけだが、ただそれだけですぐに仕事に戻り、焼き肉のことは頭から消えるだろう。
ところが、ようやく仕事が片付き、「あー、疲れた!んーっ!」と椅子の背もたれで体を伸ばしていると、「そういえば昼も食べてへんかった、めっちゃ腹減ったわ…」と、ご飯を食べていないことに気づく。
昼食もとらずに残業を終えたあなたが、何を食べるか。
実は、焼き肉なのである。
あくまで心理効果のひとつなので、個人差はある。必ずそなるわけではないが、これがスプラリミナル効果の事例だ。
スプラリミナルは強制力や影響力が強い
サブリミナルに比べてスプラリミナルは、相手に対して強制力や影響力が大きいことがわかっている。
また、例え一瞬であっても、自分の認識レベルで見たものは好印象をもつ場合が多くなる。
もし、誰かとご飯を食べる約束があるとき、
あなた
今日はどうしても自分の食べたい物を食べたい…
というときは、あらかじめ自分の食べたい物を一緒に食事をする人の視界にさり気なく入れておく。
わざと、その写真を携帯に入れて相手に見えるようにしておくとか、相手が隣にいるときに食べたいものが載っている雑誌のページを相手が見てしまう位置にわざと置いて、トイレに立ってもいいだろう。
文字無しで写真だけを添付したメールなら、間差はあっても99%は見られているだろう。最近はLINEでやりとりすることが多いと思うので、相手がメッセージを見たどうかの確認は容易である。
文字が無いので、受け手は写真から相手のメッセージを推測する。
何?この写真?
女性
と返ってきたら、「間違えた」とでも言っておけばいい。
メールで写真を見せる場合は、その写真だけが映ったメールはNGである。
写真を限定してしまうとメッセージが絞られてバレる可能性が高くなるからだ。
これ、食べたいってこと?
女性
と、気づかれるかもしれない。何が言いたいんかよくわからん写真やけど、視界には入るという程度がいいだろう。
あたり前だが、ここで
あなた
- 今晩、○○食べようか?
- ○○、食べに行かへん?
と、口に出して同意を求めてはいけない。それだと、直接言っているのと同じだからである。
相手が「たまたま視界に入った」もしくは「自分の意思で視界に入れた」と思うようにするのが、スプラリミナル効果が働く条件である。そうしておいて、いざ食事をするときにあなたの食べたい物を相手に伝える。
あなたの食べたかった物が相手の嫌いな食べ物でなければ、一発で同意してくれるはずだ。
うまくいっていれば、あなたが言う前に相手のほうから、あなたが食べたい物で誘ってくるかもしれない。食事以外でもこの効果を利用できる機会はたくさんあるので、試してみてはどうだろう。
うまくできれば、面白い結果が得られるはずだ。