シミュラクラ現象、聞き慣れない言葉かもしれない。
日本語では類像現象というが、これは人間の脳にもともと備わっているプログラムのひとつである。
シミュラクラ現象を起こす脳のメカニズム
人の目には3つの点が集合した図形を人の顔と見る働きがあり、何かに出会ったときは本能的に相手の目を見る習性がある。
顔を持つほとんどの生物は、目が2つに口が1つで逆三角形に配置されている。逆三角形ができる位置に点や線が配置されていると、人の脳はそれを『顔』と判断してしまうのだ。
つまり、人は目でモノを見ているのではなく、目をとおして脳でモノを見ているのである。
顔に見える写真
顔でないとわかっていても、顔として見てしまっただろう。これが シミュラクラ現象(類像現象) である。
さらに、この現象にもっとも誤魔化されている写真がある。
シミュラクラ現象(類像現象)の影響
心霊番組などでよく目にする心霊写真だが、あれは霊が映っていることを前提に写真を見ている。
シミュラクラ現象が働けば、ただの影や光の加減でたまたまできた映像でも、それを霊と思い込む傾向が高くなる。
コンピュータの技術が進化してからは、心霊写真の偽造も容易になった。心霊写真そのものは実在すると思っているが、本物と偽物の違いは専門家にしか見わけができないのかもしれない。
シミュラクラ現象は誰もが一度は体験したことがあるだろうし、この現象によって過去に怖い体験をされた方もいるかもしれない。しかし、顔に見えたものでも実際は顔でないこともある。
人には、自分の目に映ったものを真実と思い込む習性があるが、人間の脳にもともとこういった錯覚を引き起こす働きが備わっていることも事実なのである。
まとめ:シミュラクラ現象
何かに見られていると感じたり、物が顔に見える機会が多くなったとしても、それは単に精神的な不安が重なった上からシミュラクラ現象の影響を受けているだけなのかもしれない。
シミュラクラ現象は科学的に証明されている、もともと脳に備わっているプログラムによって起こる現象のひとつなのである。