動物の中でも唯一言語を所有することを許された私たちは、コミュニケーションにおける利便性やそのときの感情および意図をも相手に届けられる便利なツールを発見した。
それが「言語」である。
言葉と感情には心理的に深い関係があり、その言葉をコミュニケーションに用いるときは必ずと言っていいほど相手の特長が認識レベルであらわれることが確認されている。
今回はその「言葉」と性格の関係について見ていくことにしよう。
相手の性格を早い段階で見極められるようになると、コミュニケーションが楽になるので是非とも参考にしてもらえたらと思う。
嫌いになれない人
人にはもともと、嫌いになれない人というのが存在する。
初めて顔を合わす人はそうでない人に比べて、少なからずコミュニケーションに抵抗を感じる場合が多いだろう。
それは、相手がどんな人間で、どんな価値観を持っているかわからないからであるが、基本的に自分に興味を持ってくれて、自分に笑いかけてくれて、自分に気を使ってくれる人を人は嫌いになれないようにできている。
相手が自分の存在をどれだけ優先においてくれているかを確信した時点で、人はその人との距離を見直すものである。
人には2つのタイプがある
人は大きく分けて以下の2つのタイプに分類できる。
- よくしゃべるタイプ
- 話を聞くタイプ
の2種類なのだが、ここで普段あなたの周りにいるよく知る人を、どちらかのタイプに分類してみてほしい。
あくまであなたから見た個人的な視点でいいので、身近にいる人を「よくしゃべるタイプ」か「話を聞くタイプ」かのどちらかに直感で分類してみよう。
できたら続きを読み進めてほしいのだが、ここから先はそれぞれのタイプの特徴と違いに触れている。
「よくしゃべるタイプ」と「話を聞くタイプ」のそれぞれの特徴と違いを理解しておくことで、どちらのタイプとも良好な人間関係を築けるはずだ。
よくしゃべる人
よくしゃべるタイプの人は、自分に自信がある人だ。
- 自分は正しい(と思っている)
- モノをよく知っている(知的なほうだと思っている)
- 金を持っている(と思っている)
- 人より優れている(自分は優秀だと思っている)
- 俺(私)が嫌われるはずがない(と思っている)
- 俺はモテる/私は普通より可愛くて綺麗(と思っている)
そんなことを心のどこかで考えている人はよくしゃべる。なぜ、しゃべるのか?
それは、自分が納得する評価の基準に周囲の反応(評価)が届いていないからだ。
自分の考えや生き方、気持ち、感情をとにかく喋ることで、
男性
- 相手に伝えたい
- 俺はこういう人間なんだ…
- わかってくれ…
という心の悲鳴が、
- 自分のことをもっとわかってほしい
- 自分を理解してくれる人を増したい
という思によって、無意識に喋りを多くさせている。
話を聞くタイプ
当たり前だが、話を聞くタイプの人の中にも自分の考えや個性、人との付き合い方というのはある。
しかしながら、よくしゃべる人と比べるとどこかで自分に自信がなかったり、弱気な一面があり、他人に自分を主張してまで自分のことをわかってもうらおうとは思っていないのが話を聞くタイプの人間だ。
では、話を聞くタイプの人は人が話をしているときに”何を”しているのか?
話を聞くタイプの人は話を聞きたくて聞いているわけではなく、自分の周囲にいる人が話しているのでを聞きながら、自分と価値観が合うか合わないかの判断を無意識に行っている。
その中で、
- この人は自分と似ている
- 価値観が同じだ
女性
と判断したのちに心を開き、少しずつ自分の意見を出すようになる。ここがよくしゃべる人と決定的に異なる点だ。
よくしゃべる人と話を聞くタイプの人の特徴
よくしゃべるタイプの人は、ある程度先に話を聞いてあげると
女性
- 私の話を聞き入っている
- 私の話に興味を持っている
- 私の話を凄いと思っている
と思うと、その人とは分かり合えたと思い、仲良くなったと錯覚する。
ところが、相手が心を開き、自分の意見を言い出したときにズレが見つかると、自分が誤解していたことに気づき、拗ねたり、逆上したり、落ち込んだりすることもしばしば。
話すことが得意な人のほうが結果的に長く続く友情にならないことのほうが多く、逆に話を聞くタイプの人のほうが恐る恐る近づいていった分、一度くっつくと長続きする場合が多いことが研究でわかっている。
ただ、話を聞くタイプの人は最初から自分と価値観が合うかどうかを探りながら話を聞いているため、自分と合わないと判断した人には言葉で伝えることなく、勝手に自分の中でジャッジが終わっている。
相手の話を聞いている過程で自分とフィーリングが合わないと判断した人とは、無意識に自分の中で切っているのだ。
よって、あなたがよくしゃべるタイプで相手が話を聞くタイプの場合は、喋り過ぎて価値観の押し付けにならないよう注意が必要である。
なぜなら、あなたが話している過程で相手の中ですでにジャッジが終わっていれば、もうその相手はあなたに心を開くつもりがないので新たに関係をスタートさせるのは困難になるからだ。
話を聞くタイプの人への対応
話を聞くタイプの人には、聞きたいことを自分から開示して相手にも同じことを聞くといい。
例えば、
女性
というように、先に自分の考えていることや思っていることを相手に開示してから、それについての意見を仰ぐような流れがいいだろう。
よくしゃべる人の中には、相手が感じていることや思っていることを相手に伺わずに、とにかく自分がしゃべりたいことを次から次へとしゃべる人がいる。これは、単なる独り言(愚痴)で相手と会話する姿勢ではない。
よくしゃべる人に対しては差ほど問題ないが、これを「話を聞くタイプ」の人にやると、しゃべっている間にジャッジされ、聞いてくれているように見えてもほぼ右から左なので注意しよう。
見分け方としては、相手(話を聞くタイプの人)の視線が落ちる機会が増えたり、目を合わせる機会が減ったり、顔を下に向けて腕や足を組んだり、体を丸めるような姿勢を見せ始めたら、もうその話を聞かされることに嫌気が差している状態なので、いったん自分がしゃべるのを止め、相手にしゃべらせる機会を与えるようにしよう。
よって、これを事前に回避する手段としては前述したとおり、
女性
というように、
- 自分はこう思っているんだけど、あなたはどう思う?
みたいに、相手の考えていることや自分の頭の中にはない意見も取り込もうとする意思表示を相手に示すといい。
そうすることで、「話を聞くタイプ」の人は、
この人よくしゃべるけど、人の意見も聞く耳を持っている…
女性
と考えるようになるからだ。
自分が一方的にしゃべるのではなく、相手を会話に参加させて相手にもしゃべらせる機会を与えるということである。
雑談や何でもない話を何度か重ねて、相手の反応や様子を伺いながら急がずゆっくり関係を築いていくと上手くいくはずだ。
よくしゃべる人への対応
よくしゃべる人には、ある程度話を聞いて自分と意見が違うと思ったら、相手の話を遮ってでも自分の意見をぶつけることをおすすめする。
よくしゃべる人に否定的な意見を返したら、自分に自信を持っているだけに自尊心を傷つけられた腹いせに怒らせることになるのでは?
男性
と思うかもしれないが、これは意見が違うと確信したその時点で必ず突っ込むようにしてほしい。
よくしゃべる人には意見をしにくい空気を感じるかもしれないが、よくしゃべる人は否定的な言葉を返されても、こいつとは話が合わないから話を止めようとは思わない。
なぜなら、自分が正しいと思っているので相手にしっかり自分の意見を伝えれば、相手は自分の意見に絶対従うと心のどこかで思っているからである。
むしろ、腹の中でははっきり意見が違っているのに、その場では思っていることを言わず、後になって陰でごちゃごちゃ言われていることを知ったときのほうが相手は怒るだろう。
よっぽど喧嘩口調の言い争いにならない限り、多少の論争は会話のキャッチボールだと思っているので、あなたが平気なら相手が尾を引く心配はしなくていい。
まとめ:相手の性格を瞬時に見抜く
今回、人には2つのパターンがあること紹介した。
これを知っているだけで、相手に対してどういう関わり方をすればいいのかが事前にわかるようになるだろう。
相手がどちらのタイプかを早い段階で見極め、相手に合わせて関わり方を変えられるようになれば、どちらのタイプの人とも良い関係を築けるようになるはずだ。