人の「笑い」には3つの種類がある。
あまり意識していないかもしれないが、感覚的には気づいているだろう。今回はそれを言葉でわかるようにしてみようと思う。
興味のある方は今後の参考にしてみてほしい。
「笑い」の種類
- 本当(真実)の笑い
- 作り(愛想)笑い
- 軽蔑の笑い
本当の笑い
本当の笑いは、心から笑っている笑顔のことをいう。
抑えようとすると余計に吹き出しそうになる、そんなときに出る笑いである。上まぶたが下がることで目が細くなり、目の横にある眼輪筋という筋肉が動くことで目尻にシワが入るのが特徴だ。
目尻のシワは、心の底から笑っているときでないとできない。「本当の笑い」と「それ以外の笑い」を区別する一つの基準になるので、覚えておくといいだろう。
「ホンマかいな?」と思った方は、鏡を見ながら試してみてほしい。
目尻にたった一本のシワを入れるのが、どれだけ難しいかわかるはずだ。
作り笑い
作り笑いは、頬の筋肉は上がるが、目尻近くまでは持ち上がらず、目尻にシワも入らない。
漏れるように出てきた自然な笑いでないと、人は眼輪筋の筋肉までは動かせないのである。
軽蔑の笑い
相手を騙そうとしているときや、何かを企んでいるとき、嘘をついているときに出る笑いがこれである。
顔の片方だけにシワが寄ったり、片方の口角だけが上がったり、引きつったような顔で左右の表情が非対称になるのが特徴だ。
人によっては表情だけでなく、体も非対称に動く場合がある。もし、相手がこの笑いをしているときにあなたにとって条件の良い話ばかりを並べていれば、真逆の企みを持っているかもしれないので注意しよう。
本当の笑いが出るもうひとつの場所
本当に笑っているときの笑顔は表情の特徴で確認できるが、実はもう一つあるのでそれを紹介しておこう。
例えば、笑ってはいけないような場所や笑えない場所で面白いことが起こると、間違いなく「ココ」に出る。
それが「肩」だ。
笑ってはいけない場所で笑いを抑えられなかったこと、今までに一度や二度はあっただろう。わたしが小学生や中学生のときは、そういう場面がよくあったのを覚えている。
全校集会などで校長の話が長いと、退屈して周りを笑かそうとする人がクラスに必ずいた。そういうときは声を出せないので、漏れてきそうな声を我慢する。
しかし、我慢すればするほどツボって笑けてくるもの。ダウンタウンの「笑ってはいけないシリーズ」もそのひとつと言えるかもしれない。
真実の笑いは肩に出る
本当に面白いときに声を殺そうとすると、人は肩がプルプルと動いてしまう。笑うことに躊躇しなくていいときは普通に笑えるのでそれほど肩には出ないが、思わず笑いが出そうなときに声を殺そうとすると、その反動が肩に伝わるのである。
長時間のセミナーなどでは受講者が疲れてくるのでたまに小ネタを挟んでくる講師がいるが、いくらおもしろくてもセミナー中に大声で笑う受講者はまずいない。それは、講師や周りの視線を気にするので、笑いたくても笑えないからである。
そのため、面白いことがあっても声のボリュームを気にする。この我慢を笑いが超えていると抑えきれない分が肩を動かすのだ。
本当の笑いを抑えたときに震える肩は意識的には動かせない
試しに、肩をプルプル動かしてみてほしい。
恐らく足や腕が先に動いてしまい、肩だけを動かすことは難しいはずだ。肩がプルプルと小刻みに動くときは本当にウケているときにだけ起こる現象で、「本当はもっと笑いたいけど我慢している」状態といえる。
そういう瞬間を見つけたら、肩がプルプル動いている人に話をふってみてみるといい。
しゃべるためには口を開かなければならないので、ウケている途中に話をふられると口が開くことで抑えがきかなくなり、噴き出すように笑うはずだ。
相手の細かい動きも見過ごさない
この方法は、かなり効果的である。人見知りの人や対人関係が苦手な人にも使える方法だ。
会話になかなか入れない人でも話の内容は横で聞いているので、面白い話をしている最中に、もし下を向いて隠れるように肩をプルプル動かしていたら、あえてその人に話をふってみるといい。いくら人見知りでも、その場にいながら話をふられて無視をする人はまずいないだろう。
人見知りがコンプレックスという人がいるが、実は周りの関わりかた次第で消せる恐怖なので慣れれば問題ない障害である。
人見知りをする人は、知らない人を受け入れにくい人と言えるのかもしれない。しかし、正直言って私はそれを疑っている。
私自身、知らない人を受け入れにくいからこそ、OFFがONになりやすいと考えており、細かい壁がいくつもあるより大きな壁がひとつしかないほうが、崩れたときの影響は大きいと考えているからである。
まとめ:本当の笑いとその特徴
- 肩が小刻みに揺れるときは、笑いたい気持ちを殺している(本当の笑い)
- 肩が動いているときにプッシュされると笑いを抑えられない
- 人見知りの人には、一度自分の上に立たせてみる
- 対人関係の恐怖が消えれば、最速で距離は縮まる
- しゃべらなければならない状況を作って人に慣れさせる
- 堅い壁ほど、崩れやすい
どういうときに相手の肩が動いているか、それに気づくことができればその人にとっての面白い人になれるかもしれない。
誰かと時間を共有するときは、相手が笑ったときの肩の動きにも注目してみると面白い発見があるはずだ。