あなたにもこんなことを考えた経験がないだろうか。
- 目上の人に好かれたい
- 友達のあの子を彼女(彼氏)にしたい
- あの社長になんとか気に入られたい
- ビジネス以外の付き合いもさせてもらいたい
恐らく、一度や二度はあったことだろう。
- そんな都合のいいことができたら苦労しない。
- それができないから、悩んでいるんだ。
男性
そう考えた人もいると思うが、先にお伝えしておく。
人は、「無理」「不可能」と考えた瞬間から思考が停止する。逆に言えば、
男性
いや、必ず何か方法がある…
と考え続けているうちは、まだその方法を探しているはずだ。人間心理を深く追求すると、こんな都合のいいことも可能になるということを今回はお伝えしよう。
目的を形にするための思考準備
ビジネス、パートナー、身内、同僚、相手が人間なら条件は同じである。
自分のペースに引き込みたい人がいるという方は、今回の内容は覚えておいて損はないだろう。いくつかポイントがあるので、押さえておいてもらいたい。
人は理由もなく、知らない人に近づこうとはしない。特定の相手に特別な関係をのぞむ場合、必ずその目的と理由があるはずだ。
- 自分はこの人の、“ここに” 関心がある
それを自分の中ではっきりさせておくこと、そしてその人を本当にリスペクトしていることが重要になる。
なぜなら、人はいくら言葉できれいごとを並べても、言葉の使い方や話し方に本心が出てしまい、それが言動となって感覚的に相手に届いてしまうからだ。
したがって、これを回避するために相手のどういうとこが好きで、何をもって尊敬に値するのかを明確にしておかなければならない。
あなたの周りにも自分の利益のためにゴマをすってくる後輩や部下が一人や二人いると思うが、ゴマすりは上の人間がもっとも嫌う典型的な例である。自分の利益のために上を動かそうとする根性が、上からすると”可愛くない“のである。
なので、本当にいい関係を築きたいと思う相手には自分の心に嘘をつかないことが絶対条件となる。
自分より上の人から応援してもらったり支えになってほしいと思うのなら、その人のことを本当に好きになっておかなければならない。
ここでの「好き」は異性に対しての恋愛感情からくる好きではなく、リスペクト(尊敬)のこと。
これは、目的を果たすために必要な事前準備なのである。
興味・関心事にあらわれる習性と行動
人が人を好きになると、必ず決まった行動に出る。
自分の過去を思い返せばその事実に気づくと思うが、無意識にその人の情報を集めようとするのである。そして、これは人に限らず物に対しても言えること。
例えば、サッカーが好きな人がいたとする。
その人は解説者や選手目線で試合を分析したり、観戦したりするほどのサッカー好きだったとしよう。
こういう人は、各チームのレギュラー選手の名前やその選手のポジションはもちろん、サッカーの専門用語に加えてチームのフォーメーションから戦術まで把握していたりする。
サッカーに詳しくない人からすると、何言っているのかチンプンカンプンの領域にいるわけだ。
また、歴史にも知識が届いており、すでに見ることがなくなって何年も経つ選手である、ペレ、ジーコ、プラティニ、クライフ、マラドーナ、ベッケンバウワー、グーリット、ファンバステン、バルデラマ、ゾラなどと聞くと彼らの顔が頭に浮かび、
開幕当初のJリーグに目を向ければ、マイヤー、リネカー、リトバルスキー、アルシンド、モネール、エドゥ、ディアスと聞いて懐かしさと古すぎる過去に、笑みがこぼれる人もいるだろう。
サッカーをよく知らない人には意味不明な例えになってしまったが、要は自分が好きな物や好きな事、好きな人については無意識にその情報を集めてしまう習性があるということだ。
サッカーではなく、自分に置き換えて過去を思い返してみてほしい。車好きの人なら、バックミラーに映る車のヘッドライトを見ただけで、暗闇の中でもその車の車種、年式までわかってしまうのと同じである。
自分が強い関心や興味のあることに今までどういう行動をしてきたか、人より詳しい知識があることや得意なことには普通の人が知らないことにまで知識が行きわたり、それなりの時間を費やしてきているはずである。
よって、特別な関係を築きたい人がいるのなら、自分が強く関心のあるものと同じように、その人の情報を事前に仕入れておく必要がある。
その情報があとでモノを言いうことになるからだ。
この準備がどこまでできているかで、あとに大きな進展に繋がるきっかけになることを併せて覚えておいてもらいたい。
本心は口にしない
人は理由もなく興味のない情報を自分から仕入れることはしない。特定の情報を自ら収集するという行為は、興味や関心があることの裏返しである。
ところで、相手に自分のことを
男性
- 好きになってもらいたい
- 気に入られたい
- 可愛がってもらいたい
と思っている人の大多数が、以下のような言葉を口にする傾向が強いのに気づいているだろうか。
- あなたを尊敬しています。
- あなたのことが好きです。
女性
もしあなたにその経験があるなら大変申し訳ないのだが、頭に浮かんだ言葉をそのまま相手に伝えるのはあまり賢いとは言えない。
それは相手が異性でも同じなのだが、本当に好きという気持ちを相手の懐に届けたいのなら、自分の口から「好き」という言葉は使わずに、相手に「好き」と悟らせなければならないのである。
あなたのことが好きです。
女性
といって、
男性
なんで?どこが?
と返されたときは、ほとんどがグダグダである。なぜ、グダグダになるのか?
それは、相手に自分から「好き」という言葉を発する人は、実は
(あなたのことが好きな”私を、好きになってほしい“)
女性
というのが本心だったりするからだ。
「好き」という言葉を相手に向かって自ら口にする行為は「相手のことが好き」という事実よりも、「自分が相手に気に入られたい」と思っているときに見られる行動なのである。
なので、相手からすると、
本当の目的は私に気に入られたいだけ。だから、私の気を引こうと好意を持っているように見せようとしている。
女性
と取られてしまうこともあり、そういう場合は自分が期待している反応が返ってこないというわけだ。
よく考えてみてほしいのだが、本当に相手のことが好きなだけで満足しているなら、その事実をわざわざ口に出して本人に伝えようとしないはずなのである。
なぜなら、自分が相手のことをどう思っているかや、その気持ちを知った相手がどんな反応を示すかまでは興味がなく、そこまで知らなくてもいいと思っているからである。
言葉(相手がその事実に気づく形)にして相手に伝えるという行為は、あなたに好意を持っている私に気づいてほしいという心の悲鳴(本心)が表にあらわれた行動というのが心理学上の解釈である。
言葉では「好き」という言葉を使って相手の気を引こうとしているにもかかわらず、本心は自分の感情を処理することが優先になっているため、いまいち刺さっていない、軽く流されているような反応が返ってくるのである。
では、
- 目上の人に好かれたい
- 友達のあの子を彼女(彼氏)にしたい
- あの社長になんとか気に入られたい
- ビジネス以外の付き合いもさせてもらいたい
といった気持ちを、”自分が望んでいるとおりに相手に受け取ってもらう”ためにはどうすればいいかだが、それは相手の情報をどれだけ持っているかで決まる。
人が自分の興味のあることに自ら情報を集めるというのは前述したとおりである。
自分から、
- 好きです。
- 尊敬してます。
女性
と言わなくても、自分が仕入れた相手の情報をそのまま相手に伝えるだけで、相手にどれだけの思いを抱いているかは届く。
例えば、その人が本を執筆していたとして、本でしか喋っていないことを相手に伝えたとする。そうすると、相手にはどう聞こえているか考えてみてほしい。
あなたが、
本も読ませてもらってます。
女性
と言わなくても、
男性
- 確かこの話はあの本でしか書いてなかったはず…
- この人、俺のあの本を読んでくれたんやな…
と、思うだろう。こちらのほうが控えめで、相手の印象は確実に良くなる。
普通の人は気に入られようと思ったら、
- 本も読ませてもらってます!
- 本、買わせていただきました!
女性
と、自分が相手に対して行ったことについてその反応を伺うようなことを平気で口にしたりする。これが余計なのだ。
そんなことは言う必要ないし、言うべきではない。
なぜなら、「本を読ませてもらってます」という言葉の裏には、「お金を払ってあなたの本を買いましたよ」という意味が含まれる。
自分が気に入られたいと思っている相手に、お礼を言わせるようなことはするものではない。
人が選択する言葉にはその人が物事をどう見ているかが必ずあらわれる。口にする言葉から、言葉には出てこない本音が見えることがあるので十分に気をつけてもらいたい。
本当に本を読んでいるなら、本を買った事実は言わずに、本に書かれていた内容を伝えるだけであなたが本を読んだ事実は相手に届く。
- 自分の言いたい言葉で言わない。
- 相手が気持ちよく受け取れる言葉(相手にどう聞こえるかを最優先に考えた言葉)を選ぶ
重要なポイントなので覚えておいてほしい。
相手がどこかで話していたことを伝えるだけで、その気持ちは自分の中にある言葉で伝えるよりも一層深く相手の心を動かす言葉に変わるものなのである。
知らなくて当然の事やその人にとって特別な人しか知りえない事まで知っているという事実が、その人に対して興味関心を持っていることを示す(暗示する)ことになるからだ。
相手の情報を自分の口から伝える心理効果
相手の情報をあなたの口からお伝えすることには、もうひとつのメリットがある。
人は自分の話ばかりする人を嫌う。自分の話ばかりする人は自分に関心があるので、
男性
- 自分のことをもっと知ってほしい
- 自分のことをわかってほしい
という感情が、無意識に自分の話をしてしまう(自己中心的で悪気があってやっているわけではない)原因だ。
相手があなたに興味がなければ、あなた自身の話を聞かされるのはストレスでしかないため、本気で気に入られたいと思っている相手には”自分の話はしない”ということも重要なポイントである。
自分の話は、相手が自分に興味をもってくれてからすればいい。嫌われたり、面倒くさいと思われたらそれを戻すのは大変になるからだ。
まず、相手に気に入ってもらうことが目的なので、1回目から自分を売り込む必要はないのである。
相手の情報を自分の口から伝えるという行為は、喋っているのが自分であっても話の中身は相手の事を話している。
自分の話をするのと自分の口から相手の話をするのではまったく意味が異なり、人は自分と関係ない話を聞かされるよりも、自分と関連付けられた話を他人がしていることのほうがよっぽど気になってしまうものなのである。
もし、その人が本を出しているのなら、絶対に読んでおくことをおすすめする。
これは、本の内容に興味関心があるかどうかは重要ではなく、その人の情報を仕入れるためと、最短最速で目的を実現するために読んでおく必要があるのだ。
本には著者の生い立ちや過去が書かれていることが多く、その人の歴史を知っていると会話で話のツボを合わせることができる。
どういう考え方で、どういう思考をもった人なのかも本を読むことでわかるはずだ。
そうすることで、一発で理解が入り、知ったかではなく、
男性
(こいつ、本当に俺のこと知っているぞ…)
と思われ、相手の方から心を開いてくれるようになるのである。また、その人が何の仕事をしているかがわかるのであれば、その仕事で使われる専門用語なども知っておくと話が発展するきっかけになる。
専門用語というのは知らない人からするとしんどいが、知っている人からすると逆に簡潔で誤解なく受け取れるわかりやすい言葉になるからだ。
例えば、野球の用語の中にタッチアップという言葉ある。
飛球が捕らえられたときに、走者が元いた塁に触れなおしてから進塁すること。
野球に詳しい方がタッチアップと聞けば、瞬時にそれがどういうものなのか判断できるだろう。しかし、野球を知らない人からすると
男性
飛球が捕らえられたときに、走者が元いた塁に触れなおしてから進塁…
と説明しないと、さっぱりわからない。
逆に、野球をよく知っている人に、「飛球が捕らえられたときに、走者が元いた塁に触れなおしてから進塁…」という言い方をすると、長ったらしいわ、わかりにくいわで理解するまでに余計に時間を要することになるはずだ。
サッカーのオフサイドなんかもこれと同じである。
オフサイドはいくつも種類があり、ひと言で説明できるようなものではない。
場数を踏んで観察力を鍛える
最後はやはり観察力が必要になる。
相手をよく観察し、相手のしゃべりたいタイミングで喋らせる。相手がしゃべりたそうにしていると思ったら、自分がしゃべりたいことを後回しにしてでも相手のしゃべりたいことが答えとなる質問に替えて、ふってあげる。
例えそれが、自分の知っていることでもだ。
自分の知っていることでも相手がしゃべりたそうにしていたら、しゃべらせる機会を与える。しゃべりたいことというのは、その人が思い描いている未来や、すでに経験をした過去のこと。
人はこれから起こることや意外にも終わっていることを話したがる生き物で、その人の未来か過去に話をふってあげると相手は気持ちよくしゃべることができるはずだ。
「他人には見えない苦労をしてきた結果、今がある」という人には過去へ、「幼い頃からの夢や目標を今もずっと追い続けている」という人にはその人の未来へ話をふってあげると、
男性
よく聞いてくれた!
と言わんばかりにしゃべり出すだろう。
また、それに加えて絶対にやってはいけないことがある。それは、「今」を聞くことだ。
なぜ、「今」を聞くことが良くないかというと、「今」というのは現在である。ほとんどの人が現状に不満や不安、悩みや問題を抱えて生きている。
どれだけ成功している経営者でもだ。
「今」を聞くとことで相手を現実に引き戻してしまうことになり、相手のほうからしゃべる分については構わないが、こちらから相手の「今」を聞くことはご法度である。
まとめ:人たらしの心理学
“この人” と自分で決めた人から気に入られるためには、
- その人をリスペクト( 尊敬 )する
- その人を本当に好きになる(なっておく)
- その人の情報をできる限り集め、整理しておく
- 自分の話はしない
- 相手のことで自分が知っていることを伝える
- 未来と過去に質問を限定する
- その人の「今」を聞かない
- 相手がしゃべりたそうなことを知っていても聞く
- 自分の言いたい言葉で発言しない
以上、9つのルールをすべて外さなければ、相手が誰でもうまくいくはずだ。
すべてを満たすのは難しいと思うが、気に入られたい、可愛がってもらいたい人がいるという人は試してみてほしい。