「自信」をあらわすボディランゲージ

「自信」のあらわれを示すボディランゲージ

自信のあらわれを示す代表的なボディランゲージのひとつに、指と腕の組み合わせで成立する動作がある。

この動作を用いて話をすると、人はあなたの話を真剣に受け取り、その中身も価値があるものだと考えるようになる。それだけでなく、あなたが正しいことを言っているとさえ感じるようになるのだ。

これは、ふざけているときや冗談を言える状況では見られないしぐさである。したがって、この動作を意図的に用いる話において、相手はあなたの話を真剣に受け止めるといったことが実現可能となる。

指先と前腕で三角形を形成するしぐさ

左右の指を組んで、両肘を肩幅ぐらいに開いてみてほしい。

交差した指・左肘・右肘をそれぞれ点で結ぶと、自分の目の前にちょうど三角形ができることに気づいていただけるはずだ。

このジェスチャーは、「強い自信」とその自信が「極限に達している」ときに無意識に出るしぐさである。

例えば、机と椅子があるような場所では、次のような姿勢をとるケースが多くなる。

強い自信のあらわれ

肘をついて手を顔に置く

自信のあらわれ

組んだ手をデスクに置く

相手がこの動作をしているときは、ほとんどのケースで口も固く結ばれていることが多いはずだ。権威を示す典型的なジェスチャーであり、政治家や弁護士などが自分の発言に自信を持っているときによく見られるしぐさである。

MEMO

手を組む場所はどこであっても解釈はかわらない。頭の後ろで組もうが、腰のあたりで組もうが、太ももの上で組もうが意味は同じ。

手を頭の後ろで組む
手を頭の後ろで組む

「組む」という動作は、腕・脚・指関係なく、ガードや防御を意味する。笑っている男性は、視線の先にいる相手の話を本気で聞く気はこの時点ではない。もしあるなら、組んでいる手を解いて姿勢を変えるだろう。

このジェスチャーを用いることで得られる効果は、自分の言葉に説得力を持たせることができる点にある。冒頭でも述べたとおり、このジェスチャーと合わせて発せられる発言は、相手に真剣な話をしているという印象を与え、発言そのものの真実性を高める効果がある。

したがって、相手を説得するときやどうしても信じてもらいたい話があるときは、その話を切り出す直前に指を組んで話すと、相手にその話を真剣に受け止めてもらえる確率をグンと上げることができる。

相手が指を組んでいるときの対応

あなたが仕掛ける側の場合は前述したとおりの認識でいい。しかし、相手がこのしぐさを見せたときはどうすればいいのだろう。

指を組む動作は、自分で意識しなくても無意識に出るしぐさである。これは、政治家や弁護士に限らず、あなたの周りにいるすべての人に共通する。

交渉相手やこれから説得しようとしている相手がこのジェスチャーを見せたら、それは相手が自分の考えを簡単には曲げない」「簡単には折れないことを意味する。

実際に指を組んでいる人の表情を見ると、崩すのに難儀しそうな、簡単には首を縦に振りそうにない印象を受けるはずだ。

自信のあらわれ
簡単には折れない

もし、上の写真の表情を見ただけでそう感じ取ったなら、それは正しいと思っていい。

通常、表情と身体言語が同時にあらわれるケースでは、共通の意味をあらわす動作をするようになっている。この動作が矛盾するときは、隠し事や嘘をついている自覚があるときに起こるからだ。

相手が指を組んでいるときに、説得や交渉に入るのは失敗のリスクを高めるだけで合理的とは言えない。そのときは、一度本題から外れて別の話題に切り替えるか休憩を挟むなどして、相手が組んでいる手を解くことに専念しよう。

急ぎでないなら、日を改めるのも一つの方法だ。

もし、相手の指先に突然力が入り、何かを祈るように重なり合ったら、それは権威の失墜と覚えておくといい。指先を固く閉じるのは疑念や不安のあらわれで、萎縮し始めている証拠となる。

指先を固く閉じる
指先を固く閉じる

顔や視線が下がる機会が増え、力の入った指先は黄色く変色するのですぐにわかるだろう。指にあらわれるこれらの動作は、自分を落ち着かせようとするセルフタッチの一種である。

親指の動きに注意を払う

相手が指を組んだときは、特に親指の動きに注意しよう。

もし、固く閉じられた手が緩んで扇型に開き(左右の手首が離れる)、左右の親指のひらがくっついているか上を向いているなら、相手はまだまだ強い自信を持っており、その状況に余裕がある。

親指を重ねるしぐさ

親指のひらをくっつける

親指を立てるしぐさ

親指の先をつけて立てる

一方で、親指が手の中に隠れていたり、手が閉じられていたりするようなら、相手は最初ほど自信を持っていないというサインだ。

親指の動きに合わせて表情にも変化が出るようになるので、そこも見逃せないポイントである。

親指を畳む

親指が畳まれている

閉じられた手

手首の間が開いていない

会話における自信の満ち引きに応じて手の動きを観察することは、相手の発言の信憑性を見定めるいい指標になるだろう。

指を組む動作をテクニックとして利用するときの注意点

あなたと相手が一対一の場合は構わないが、あなたと対立する相手や競争相手がその場に一緒にいるときは注意が必要になる。

例えば、会議や討論の場で意見が衝突するようなケースをイメージしてほしい。

その際、あなたと意見が対立する相手が発言しているときは、あなたは決してこのジェスチャーをしてはならない。なぜなら、対立する相手や競争相手の発言中にあなたがこのジェスチャーをするということは、彼らの発言の信用度を増幅させることになるからだ。

また、このテクニックを使っていると、あなたの意見に反論してくる人が少ないことに気づくだろう。

試してみるとわかるが、指を重ね合わせた人間の発言に反論しようとすると、かなりのプレッシャーを感じるはずである。別の言い方をするなら、指を組んだ人に反論すれば、それ以上の勢いで相手が反論してきそうな感覚に駆られるのだ。

したがって、もともと立場や力の強い者が弱い者に対してこのジェスチャーをむやみに使うと、聞き手は目に見えない圧力によって、いじめられているかのような感覚に襲われる場合もある。なので、このジェスチャーをテクニックとして使う場合は、時と場所を選ばなければならない。

つまり、それだけパワーのある、人に影響を与える動作なので、謙虚で友好的な態度や控えめな言葉と組み合わせて使ったほうが、この動作が持つ本来の威力を最大化することに繋がるのだ。

また、このジェスチャーは人に見られて初めて効果が期待できるということを覚えておいてほしい。相手の視界に簡単に入る場所でないと意味がないということだ。

自分の発言に自信があるときは、手を使って自分は正しいことを言っていると明示するだけであとはこのジェスチャーがあなたの目的を叶えてくれるはずである。

まとめ

最後に今回のポイントをまとめておくので、今回の内容をもう一度整理して実践で機会があれば試してみてほしい。

  • 指を組む動作は「強い自信」のあらわれ。
  • 相手が指を組んでいるときは、簡単には折れない意思表示(話題を変えたり、休憩を挟むなどして組まれた指を解かせることに専念する)。
  • 組まれた指先に突然力が入り出したときは、疑念や不安のあらわれで萎縮が始まっている証拠(親指が畳まれていたり、組んでいた指を解き、人によってはセルフタッチが増える)。
  • 自分の発言を確実に受け入れてほしいときは、相手の視界に簡単に入る場所で指を組んで話す。
  • 親指を立てている場合や重ね合わせている場合はまだまだ強い自信が残っている状態。
  • 親指が人差し指より落ちて隠れている場合や組まれた手が閉じられて手首どうしがくっつきそうになっている場合は、最初ほどの自信はなくなっている証拠。
  • 対立する相手や競争相手が発言しているときに指を組むのは、彼らに対する協力行為になるので絶対に組まない。
  • 指を組んでいる相手には、心理的に反論しにくい状況に駆られる。
  • 指を組む動作によるテクニックを使うときは、「時」と「場所」、場合によっては「人」を選ぶ
  • 指を組む動作は、「謙虚で友好的な態度」や「控えめな言葉」と合わせて使うことで、本来の威力を最大化できる。

以上が今回のまとめである。

実践で使えて効果の期待できるテクニックなので、ぜひ試してみてほしい。

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