洞察力を1.7倍アップさせる聴覚トレーニング

洞察力を1.7倍アップさせる方法

人間心理や潜在意識に詳しい人の中には、人並み以上の「観察眼」を持ち合わせている人がいる。

見ている場所の違いや瞬間的に取り込む情報量、一瞬の変化も見逃さないその集中力は、普通の人とは比較にもならない。しかし、こういった能力は決して先天的なものではなく、訓練すれば誰にでも習得できるものである。

この記事を読んでいただいている人の中には有名なメンタリストのパフォーマンスを見て、「自分も人の心に侵入できるような鋭い観察眼が欲しい」と思ったことのある人もいるかもしれない。

( メンタリストのようには無理でも、人並み以上の観察眼は身に着けたい… )

仮にそう思っているとしたら、「観察眼」という言葉をどう解釈しているかが一つのポイントになる。

もし、「視覚からの情報を瞬間的にキャッチする能力とその情報量」、もしくはそれに近い回答を「観察眼」と認識しているのなら、それは改めたほうがいいだろう。なぜなら、その解釈だと一般レベルと変わらないからだ。

今回は、あなたの観察眼を鋭くする方法の一つを紹介しようと思う。

練習は不要で、意識の積み重ねで可能になる方法である。一ヶ月もすれば、今までの自分と違う影響を受けている自分に気づくはずだ。

観察力と洞察力の違い

観察力と洞察力が混同している人、区別がついていない人は意外と多いようだ。

観察力と洞察力では解釈が異なるのでここで抑えておこう。当ブログでは観察力と洞察力、そして、観察眼を以下のように定義する。

観察力
ある出来事や事象から物事を判断する能力。

 

洞察力
観察によってキャッチした情報をもとに、目には見えないその先にあるものを見抜く能力。

観察眼
観察力と洞察力を合わせることで得られる能力(知識・テクニック・経験等が必要)。

五感は自分で思っているより繊細

人間のカラダは、幼少期を超えると衰退に向かうと言われている。

使わなければどんどん腐っていくモノ、使うことで現状維持に留められるモノ、そして、使えば使うほど発達(進化)するモノがある。

五感は私たちが考えている以上に繊細な感覚器官である。五感に対する意識を変えれば、五感は今まで取り込まなかった方法で受け取った情報を脳に伝達するようになる。

その結果、脳は今までになかった新たな情報処理を覚え、これが普通の人が持ち合わせていない能力に進化していくのだ。

観察は「五感」のすべてを駆使するのが基本

観察眼を鍛えるには、視覚に入る情報の取得量を増やすことだと考えている人もいるだろう。

人は、視覚からの情報に全体の80%を依存している。したがって、視覚からの情報はもっとも重要な観察ポイントになる。

しかし、重要な手掛かりになる情報であるにもかかわらず、それが視覚以外の場所にあらわれるものがある。

例えば、「声のトーン」や「筋肉の抵抗」だ。

これらは、視覚では拾えない。声のトーンは聴覚で拾い、筋肉の抵抗は触覚(マッスル・リーディング)で拾うのが基本である。

つまり、相手の声やトーンが変わったことに気づけなければ、どれだけ視覚からの情報を拾えるスキルを体得したとしても、いずれ壁にぶち当たるときがくることになる。

冒頭でも触れたとおり、今回の内容は意識の積み重ねで音に敏感になれる方法なので、是非とも試してみてほしい。

聴覚を養う

人には、聞きたい音を無意識に取り入れ、そうでない音を遮断しようとする習性がある。

例えば、大好きなパートナーや友人の話には進んで耳を傾けるが、口を開いたと思ったら説教しかしないとわかっている上司や親の話には、相手が口を開く前から顔を歪めて眉間にシワが入っていたりする。

また、同棲している彼のイビキが睡眠に支障が出るほどうるさいと、隣で一緒に眠りたい気持ちに相反して仕方なく別の部屋で寝ることを選択することもあるだろう。

人は、好んで聞きたい音が快楽を呼び、そうでない音がストレスになることを感覚的にわかっている。さらに、ストレスを呼ぶ音は、快楽を呼ぶ音よりも人に与える影響が大きい

自分の意識が届いていないところで出ている音には、ほとんどの人が認識していないのが現状だ。

観察眼を鍛えるうえで聴覚を養うには、音に対する情報の収集領域を広げる必要がある。ここでいう情報の収集領域とは、「量」とその「質」のことである。

一対一でしゃべっているときであっても、その背後には必ず何らかの音が聞こえる瞬間がある。

例えば、喫茶店で友人とお茶をしているときなら、

  1. 店の扉が開く音
  2. 店内に入ってきたお客がテーブルに着くまでの足音
  3. 別のテーブルに座っているお客の会話
  4. 店の外を走る車のロードノイズや排気音
  5. 店内に流れるBGM

友人と会話をしている途中でも、自分の周囲や背後で出ている音に意識を向けるようにしてみてほしい。

自分の背後にある音にまで耳が反応するようになると、その音を聞いただけでそれがどういう流れで発生した音なのか、音の向こう側にあるものがその音だけで可視化されるようになるのだ。

  1. 店の扉が開く音
     お客が入ってきたのか、出て行ったのか
  2. お客の足音
     音がほとんどしない(つま先と踵に角度がない靴を履いている)/ヒールの音(女性で可愛いより綺麗系?)
  3. 他客の会話
     声に力が入っている(イライラしている?悩み反談?)、そこにいない人の話をしている(陰口?他言するタイプ?)
  4. ロードノイズ
     乗用車?バイク?2tトラック?大型トレーラー?
  5. 店内BGM
     ジャズ?R&B?このジャンルを流す意図は心理的なものなのか、それとも単に店のスタイルなのか

自分の背後から聞こえる音に意識を傾け、その音が何を意味する音で、どういう経緯で発生した音なのかを考えてみる。

こういった作業を積み重ねることで、例え目に映らない情報であっても、その音を聞いただけで目で見たときほど正確な情報がたった一つの音から読み取れるようになってくるのである。

まとめ:

観察眼(洞察力)を鍛えるためには、感受性を高めることに他ならない。

眠っている五感をフルに活用し、視覚はもちろん、聴覚・嗅覚・味覚・触覚のすべてを駆使して、そこから感じ取れるあらゆる情報のすべてを脳に伝達することを意識しよう。

今回の記事では、観察眼を鍛えるための情報量を増やす方法として聴覚情報(音)を例に取り上げた。

イヤホンで音楽を聴いているときも、周囲の音が聞こえないほど爆音で聴くのではなく、直接耳に届く音楽の向こう側で聞こえる音にも意識を向けてみるようにすると音に対する感覚が鍛えられるきっかけになるはずだ。

また、携帯電話事業者が提供してる電話とは別に、LINEでも電話をできることはこの記事を読んでいただいているほとんどの人が周知の事実のはずである。LINEの電話は事業者の電話に比べて周囲や電話口の相手の背後の音までよく拾う。

イヤホンマイクでLINE電話をするものなら、うるさくてしょうがないほど雑音を拾うだろう。

相手がLINEで電話してきたときには相手の背後で聞こえる音にも耳を傾け、それがどういう経緯で聞こえた音なのか、何を意味する音なのかを考えてみると、音に対する感覚が鍛えられ、些細な音の変化にも敏感に対応できるようになるはずだ。

つまり、結果として本人自身も気づかないわずかな「声のトーン」の変化も見逃さない聴力が身につくようになるのである。

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