誰かと会話をしているときに微動だにしない人間はまずいない。誰かと会話をしているときは、無意識に自分では自覚のないしぐさや動作をしているものだ。
人は自分が伝えたいことをうまく表現できる言葉が見つからないとき、必死にそれらの言葉を探索することで視線が反れる機会が増えるようになる。
人は頭でモノを考えると視線が動く。
伝えたい表現が言葉で見つからないときは、その言葉を補おうとジェスチャーや手の動きが増えるようになるだろう。
会話の途中に見られるしぐさや動作も重要な意味を持つが、中でも流してはならないのが自分の体に触れるセルフタッチ。なぜなら、セルフタッチには非常に大きな意味があるからだ。
セルフタッチが増える原因
人は緊張したり、萎縮したり、拒否反応を示したりすると、セルフタッチが増えることがわかっている。
頬(ほお)や顎(あご)に触れたり、抱え込むように二の腕に触れたり、首の後ろなどを手で触るようになる。
こうしたセルフタッチが普段よりも多いと感じたら、その人は何らかの理由で落ち着かない状態にいると考えていいだろう。
また、口や顔は体の中でもより真実があらわれやすい場所と言われており、口や顔のあたりをよく触っている場合は、
- 嘘をついている
- 本音を話せない状況下にいる
- 真実を知っている
など、何かを隠しているサインとなる。
後ろめたいことがあるときの人間は、嘘や隠し事が露見しないように無意識のうちに口や顔のあたりを隠し、自分が疑われたり怪しまれたりするのを恐れるあまり、自分を落ち着かせようと自らをなだめるような動きをするのである。
セルフタッチの頻度と量
セルフタッチは、緊張や萎縮の度合が強ければ強いほど増え、その間隔は狭くなる。
相手がどれぐらいの頻度で自分の体に触れるか普段から観察して基準値をとっておけば、過剰に触っているときとの違いは簡単に見分けがつくだろう。
また、過剰に触っているというだけで「何か隠している」と判断するのは、トラブルの原因になる可能性があるのでしてはならない。
もともと緊張しやすい性格だったり、人見知りだったり、人が緊張したり萎縮したりする理由は様々だからである。
あくまでも、普段(その人の基準値)より頻度と量が明らかに多いというのがポイントになる。
もう一つのセルフタッチ
緊張したり萎縮したりするときに見られるセルフタッチだが、実はこれと真逆でリラックスしている場合にも人はセルフタッチをすることがわかっている。
なんじゃそれ、それやったら見分けがつかんやん。
と思うかもしれないが、この違いを見分ける方法があるので忘れず覚えておこう。
緊張や萎縮しているときとは違い、リラックスしているときのセルフタッチは比較的ゆっくりと触ることが多いのが特徴だ。
特に、口元を隠すセルフタッチが見られたときは、嘘や隠し事がある場合に見られやすいしぐさなので、安易に流さないよう注意深く観察することをおすすめする。
