両手を組むしぐさ

両手を組むしぐさ

人が指を絡めて胸の前で手を組むしぐさは、意外と見る機会の多いしぐさの一つかもしれない。

このしぐさは、笑顔と組み合わせると自信に満ち溢れているように見えるが、実際はほぼ真逆の意味を示すしぐさとなる。

例えば、明らかに喜ばれないとわかっている残念な報告をしなければならないときに、両手を組みながら俯(うつむ)き加減でその事実を伝えている人を見たことがあるだろう。

デスクに座っている上司の前で立たされている部下が、側から見れば叱責を受けているかのように見えるあの状況である。

話が核心に近づくにつれて部下は手に力が入り、組まれた手の指先に目を向ければ白くなっていることに気づくはずだ。

人が手を組むしぐさは、実践でもたびたび出くわす機会の多いしぐさの一つである。

覚えておくといち早く相手の真意に気づけるようになるだろう。

組まれた手の「高さ」に注意する

人が無意識に両手を組むしぐさは、不安や不満(ネガティブな感情)を抑えようとしているときにあらわれる。

どこで組んでいるか・・・・・・・・・で相手の不安や不満の大きさが変わるため、手が組まれる場所とその関係を覚えておくと、相手が抱えるストレスの度合いは言葉を交わさなくても組まれた手の位置を見るだけでわかるようになるだろう。

手を組むしぐさの研究では、その高さ(手を組む位置)が不安や不満の大きさに比例することが確認された。

よって、組まれた手がデスクやテーブルの上にあるときは、股の上で手を組んでいるときよりも不安や不満が大きいという解釈になる。

デスクやテーブルに肘をつき、組まれた手が胸の前や顔の前にあるときは、それ以上というわけだ。

手を組むしぐさ

つまり、組まれた手の位置がカラダの高い場所にあればあるほど相手の不安や不満は大きく、それだけ扱いにくい状態にあるということになる。

相手が手を組んでいるときは、その状態で話を進めたり頼み事やお願い事をしたりしても、相手はその要求を快く受け入れてはくれないだろう。

なぜなら、不安や不満がある(心の余裕を欠いている)状態で外から新たな追加要求が入ってくると、ストレスの矛先が直前の事象に重ねられることで移転してしまい、たいていの人は要求の内容そのものよりも、そのタイミングで要求を持ち掛けてきた人間に否定的な感情を抱いてしまうようになるからだ。

これが、八つ当たりである。

今、それどころちゃうねん…
鬱陶しいのぉ、うるさいねん!
今、考え事しとんねん!
見てわからんのかぇ!
空気、読まれへん奴やなぁ…
このようになるか、もしくはこれに近い感情があなたに向けられることになるはずだ。

手を組んでいる

不安・不満と向き合っている最中。

相手の気持ちが整理されず、落ちつかないうちに自己都合の要求をかぶせるのは、不安や不満によって生じるストレスが、怒りに代わってあなたに向けられるかもしれない。

後の関係に障害が出てくる可能性をわざわざ作る必要はなく、急ぎでない用事や今すぐ伝える必要のない要求は、相手が組んでいる手を解いてからにしよう。

POINT

人の感情はカラダに出る動きと連動しており、開放的な姿勢をとることで心にもゆとりが生まれるようになる。

自分で組んだ手を自ら解くという行為は、手を組んでいるときに比べて多少なりとも気持ちが落ち着いた証拠だからである。

NOTE

人間の脳は、問題が解決したから楽になったのか、開放的な姿勢をとったことで楽になったのかを区別できない。

感情を理性で制御するのが困難なときは、無理に脳をコントロールしようとせず、ポジティブな姿勢をとることで脳を錯覚させると楽になる。

要求は組まれた手を解かせてからする

とは言っても、どうしても今すぐ伝えなければならないことや、今すぐ動いてもらわなければならないこともたまには出てくるだろう。

そういうときは、「 腕を組むしぐさにあらわれるシグナルから本音と心理を読み取る方法」でも触れているとおり、まずはこちらの要求を伝える前に相手の組んでいる手を解かせることを第一に考えてみよう。

腕にあらわれるシグナルから本音を読み取る方法腕を組むしぐさにあらわれるシグナルから本音と心理を読み取る方法

飲み物を出してもいいし、喫煙者なら黙って灰皿を差し出すだけで自分を落ち着かせようとタバコを吸いだすだろう。

試しにやってみるとわかるが、相手が手を組んでいる状態で話を進めたり頼み事やお願い事をしたときは、動くのは動いてくれるかもしれない。

しかし、表情や面倒臭そうに腰を上げるその動きを見れば、その気でないことぐらいすぐにわかる。これでは、あなたに対して相手が否定的な感情を抱くことは免れないだろう。

腕と同様、手を組むしぐさは、自分と自分以外の人や物を切り離す「壁」である。防御や防衛を意味する動作で、いかなる場合でもその動作が持つ意味はネガティブな感情であることを覚えておいてもらいたい。

まとめ:両手を組むしぐさ

最後に今回の内容をまとめておくので、実践で役立てられるよう整理しておいてほしい。

両手を組むしぐさは、、、

  1. 「不安」や「不満」のあらわれ。
  2. 組んでいる手の位置が高いほど「不安」や「不満」が大きい。
  3. 相手が手を組んでいるときは、相手への接触を控える。
  4. 要求があるときは相手が組んでいる手を解いてからか、解かせてからする。

手を組むしぐさは、表情と違って一瞬で出て消えたりするものではない。相手をよく観察していれば見逃すことはないし、その動作を確認するには十分な時間があるはずだ。

人は、見ようとしないと見えないことがたくさんある。視界には入っていても、それを認識していなければ意識レベルでは見えていない。

人が無意識にカラダに出すしぐさにはすべてに意味があるので、観察力を鍛えるためにも最初は意識して相手や周囲の人の何気ないしぐさに目を留めるクセをつけてみてほしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿はシステムによって弾かれますのでご注意ください。